OpenAIエンジニアによるCodexを「自律エージェント」として使い倒すための勉強会レポート
DeNA は OpenAI エンジニアを招き、Codex を長時間安定して自律実行するための「完了条件の明確化」「自己検証の徹底」「知識・計画の外部化」という具体的なプラクティスを共有した。
キーポイント
自律エージェントの実行基盤設計
Codex の強みである高い指示追従能力と推論能力を活かし、コンテキスト圧縮機能を活用して長時間のタスク実行を可能にする基礎戦略。
完了条件と自己検証の徹底
コード作成だけでなくテストパスなどの動作検証を完了条件とし、各マイルストーンで lint や build を実行する自己検証ルートを AGENTS.md で定義する手法。
知識と計画の外部化戦略
プロンプト内の情報過多によるコンテキスト圧迫を防ぐため、仕様や目標を外部ファイル(ドキュメントツリー)に構造化して管理し、エージェントに参照させる手法。
大規模社内勉強会の実践知
DeNA 社内で約 310 名が参加した OpenAI エンジニア直伝のセッションで得られた、実務レベルでの Codex 活用ノウハウの共有。
重要な引用
「何を達成できたら完了か」という観点を明確にする必要がある
タスクを細かく分割し、1 つのマイルストーン終了時に lint, build, test などを実行させ、それらの検証がパスした後に次のステップに進むようにすることが大切
目標や検証内容、アプリケーションの仕様などをすべてプロンプトだけで保持しようとすると、不要な情報でコンテキストが圧迫されるため、挙動が不安定になることがあります
影響分析・編集コメントを表示
影響分析
本記事は、LLM エージェントの単なる概念紹介を超え、大規模なコードベースや長時間タスクにおいて安定して自律動作させるための具体的なアーキテクチャ指針を示しています。特に「知識・計画の外部化」というアプローチは、コンテキスト制限という技術的ボトルネックに対する実用的な解決策として、他社開発チームにも即座に適用可能な知見です。
編集コメント
OpenAI のエンジニアが直接教える、エージェントの「信頼性」を高めるための具体的なプラクティスが凝縮されており、実務レベルでの AI エージェント導入を検討するチームにとって非常に価値の高いレポートです。特にコンテキスト管理のための外部化手法は、現在の LLM 制限を超えるための重要な戦略と言えます。
こんにちは、DeNA ヘルスケア事業本部ウェルビーイング事業部 DX ソリューション部の川上知宏です。
現在弊社では「AI オールイン」を掲げ、プロダクト開発のあり方そのもののアップデートに取り組んでいます。
今回はその一環として、OpenAI 社から 3 名の講師をお招きし、OpenAI が提供する、複雑なタスクを自律的に実行し、人と協働しながら仕事を前に進める AI エージェント「Codex」に関する勉強会を開催しました。
オンラインで開催された 1 時間のセッションには、300 名を超える社員が集まり、大規模な勉強会となりました。
この記事では、その時のレポートとして、Codex を長時間安定して自律的に動かすためのプラクティスや、計画の外部化手法など、OpenAI 社のエンジニアから直接聞いた実践的な知見をまとめています。
イベント概要
- 日時:2026/04/23 17:00 - 18:00
- 会場:オンライン
- 講師:Nakano Takeshige 氏、Ishida Shuhei 氏、Utsunomiya Shoko 氏
- 参加者:約 310 名
- アジェンダ:
解説(40 分)
ハーネス最適化
- Codex を長時間走らせる
- Codex の高度な設定
- Q&A(20 分 ※盛り上がりにより 5 分ほど延長)
長時間安定してタスクを実行するために
今回の勉強会で一貫して扱われたテーマは「どのようにして Codex に自律的にタスクを遂行してもらうか?」でした。
今回の勉強会で扱われた内容で公式ドキュメントの関連のあるものは、関連資料のセクションにも記載しています。
Codex の強み
Codex の強みを整理すると、次のような点が挙げられます。
- 高い指示追従能力
与えられた指示に沿いながら、目的を見失わずにタスクを進める。
- 高い推論能力(Inference Capability)
実行結果や現在のコードベースの状態を踏まえ、次に取るべきアクションを提案・実行しやすい。
- コンテキストコンパクション機能(Context Compaction Feature)
コンテキストの自動圧縮機能により、コンテキストが埋まってもタスクを中断したり、ドリフトしたりせずにタスクを進める。
長時間タスク遂行のための基礎
長時間に渡ってタスクを遂行してもらうために、まず意識するべきなのは次の 3 点です。
- 完了条件の明確化
「何を達成できたら完了か」という観点を明確にする必要がある。
- アプリケーションのコード自体が書けた状態を目標にするのではなく、「動作の検証(テストなど)がすべてパスしていること」を目標として定義することが大切。
- マイルストーンごとのエージェントによる自己検証の徹底
タスクを細かく分割し、1 つのマイルストーン終了時に lint, build, test などを実行させ、それらの検証がパスした後に次のステップに進むようにすることが大切。
- これらのルールは AGENTS.md レベルで徹底させる。
- 知識・計画の外部化(Externalization of Knowledge and Planning)
こちらについては、次の章で扱います。
とくに大切な点:知識・計画の外部化
目標や検証内容、アプリケーションの仕様などをすべてプロンプトだけで保持しようとすると、不要な情報でコンテキストが圧迫されるため、挙動が不安定になることがあります。
これを防ぐために、知識や計画は外部のファイルに書き出して管理します。
プロダクトの知識に関わるドキュメント作成時のポイント
知識に関わるドキュメントを 1 つのファイルで作成する場合、プロンプトで大量の情報を与えた場合と同様に、不要な情報でコンテキストが圧迫されるという問題が起こり得ます。
この問題を回避するために、ドキュメント自体を構造化し、Codex にはドキュメントのツリーの構造を渡すようにします。
AGENTS.md では簡潔な目次を記載し、それぞれのドキュメントへのパスを記載します。
ドキュメントの内部にサブディレクトリがある場合は、サブディレクトリ内に index.md のような目次となる md ファイルを準備することも有効です。(下記例の※)
このような対応により、Codex が必要な時に必要な情報だけを探索して取得できるようになります。
ディレクトリ構成の例
AGENTS.md <- Codex が参照する全体方針とドキュメントの目次
docs/ <- ドキュメントをまとめたディレクトリ
├── plans.md <- 計画・進捗に関するドキュメント
└── design/ <- デザインに関する情報をまとめたディレクトリ
├── index.md <- ※ design ディレクトリ内の目次
├── color.md <- 具体的な色の定義
└── components.md <- 具体的なコンポーネントの仕様
計画を外部化する手段として紹介された具体例
計画を外部化する手段として、次の 3 つのアプローチが紹介されました。
- プランモード(環境によっては /plan コマンド)
Codex で利用できるコマンドの一つ。
- 実装する前に、コンテキストの収集や、質問を通した方針のすり合わせを行うことができる。
- ExecPlans
標準的なガイドラインを md ファイルとして作成しておき、タスク実行時にはその md ファイルに従うように指示する。
- 計画したファイルを更新しながら Codex が作業することにより、ドリフトを抑える効果がある。
- 詳細:
Using PLANS.md for multi-hour problem solving
- 複数マークダウンファイルによる知識の外部化
ExecPlans の方法を拡張し、目的に応じてさらに細かく md ファイルに分割して計画を管理します。
- 詳細:
Run long horizon tasks with Codex
長時間タスクに向いているユースケースの例
ここまでの説明にある通り、目標とその検証の設定が明確にできるタスクの場合に、Codex は安定して長時間タスクに取り組むことができます。
ユースケースの例としては次のようなものが挙げられます。
- 向いている例
リファクタリング・マイグレーション
- SDK・API の移行
- 既存プロダクトへのスペックドリブンな機能実装
- 条件付きで向いている例
グリーンフィールドの大きめの開発
plan・spec・validation などが明確に定められている場合は可能
- Data・content pipeline の自動化
入力・出力・評価プロセスが明確に定められている場合は可能
- あまり向いていない例
要件探索
- 受け入れ基準が主観的なタスク
Q&A セッション
解説終了後には質疑応答の時間もありました。
さまざまな視点や観点で多くの質問が飛び交い、Codex というツールの活用の幅広さや、社員が持っている関心の高さを実感しました。
ここでは、いくつかの質疑応答を抜粋して紹介します。
- Q1. 手触り感が必要な UI への対応策はあるか?
UI の手触り感が重要な場面では、ChatGPT Images 2.0 などの画像生成機能を Codex 上で活用してデザイン案を何度か生成・修正し、その結果を踏まえて実装に進む方法が紹介されました。
- Q2. 他の AI エージェントツールと比較したとき、Codex がとくに優れているタスク領域はどこか?
Codex の強みは「指示に忠実に従う能力」と「高いリーズニング能力」がよく挙げられる。また、長時間タスクにおいても強いとよく言われている。
- Q3. ゴールが明確でない「探索型」のタスクにおいて、有効なアプローチやベストプラクティスはあるか?
探索型タスクは「長時間走らせる」という観点では相性が良いとは限らないものの、Codex のプランモード(環境によっては /plan コマンド)を活用したアプローチとは相性が良い。また、テクニカルな手法として、複数のサブエージェントを同時に立ち上げ、それぞれ異なる観点でアイデア出しを行わせ、それらを統合しながらイテレーションを回していく手法も有効だ。
印象に残ったこと
① Codex が扱えるのは、Codex が認識できるもの
「何を当たり前のことを言ってるんだ?」と思われた方もいるかもしれません。
ここで大切だったポイントは、人によるチェックが必要になった場面で、その問題は、エージェント自身が認識できる情報が不足していたために、タスクを先に進めることができなかったのか?を考えた方が良いということです。
例として挙げられていたのは、画面構成のチェックやログ、メトリクスの確認です。
画面構成の確認には、スクリーンショットや DOM スナップショットを用いること、ログやメトリクスの確認には LogQL や PromQL を利用することでエージェント自身が判断に必要な情報を参照しやすくなります。
エージェント利用時に自身が確認に入らないといけない場面に遭遇したら、何のために自分が必要だったのかを整理し、それをエージェントが認識し解決する方法がないかを調べようと思いました。
② 人のタスク管理にも通じる長時間タスクの原則
Codex に長時間にわたってタスクを遂行してもらう、というテーマの最初に説明されたのは、目標・完了条件・受け入れ条件を明確に定義すること、タスクを分解させ、それぞれのマイルストーンに応じた検証環境を準備・実施し、パスしない限り次のステップには進ませない仕組みを作ることでした。
このような内容自体は、エージェントを利用した開発を進めるにあたり、よく言及されることだと思います。
私の印象に残った理由としては、あまりにも人のタスク管理にも当てはまる内容だと再認識したからです。
普段の、コーディングのタスクかどうかにかかわらず、チームメンバーへの依頼や自分自身のタスクを進める際に、もっと正確に計画をたて効率化する余地があるかもしれないと考えさせられました。
③ エージェントの承認・安全性に関する仕組み
こちらは、Codex の承認・安全性に関する機能として紹介されました。
これは、エージェントによるリスクの高い操作時に、人が行わなければならない確認を専用のサブエージェントに移譲できる仕組みになります。
人が確認する負担を軽減させつつ、リスクを適切に見極めようとする機能が、Codex の機能としてサポートが進められていることは、非常にありがたく感じました。
おわりに
今回は、AI 開発の最先端にいる OpenAI 社から講師をお招きし、直接解説を受け、質疑応答まで対応していただくという非常に貴重な機会をいただくことができました。
この勉強会を通して Codex やエージェントの活用に関わる多くの知見を得ることができました。
昨今急激に変化している AI の領域において、このような最前線の方の話を聞けることは圧倒的な福利厚生だと感じます。
また、Anthropic 社から講師をお招きした勉強会もすでに開催され、現在イベントレポートを準備中です。公開された際にはぜひご確認ください。
関連資料
- エージェントループについて
Codex エージェントループの展開
- OpenAI 社の社内での Codex 活用例
ハーネスエンジニアリング:エージェントファーストの世界における Codex の活用
- Codex のユースケース集
Codex Use Cases
原文を表示
こんにちは、DeNA ヘルスケア事業本部ウェルビーイング事業部DXソリューション部の川上知宏です。
現在弊社では「AI オールイン」を掲げ、プロダクト開発のあり方そのもののアップデートに取り組んでいます。
今回はその一環として、OpenAI 社から 3 名の講師をお招きし、OpenAI が提供する、複雑なタスクを自律的に実行し、人と協働しながら仕事を前に進める AI エージェント「Codex」に関する勉強会を開催しました。
オンラインで開催された 1 時間のセッションには、300 名を超える社員が集まり、大規模な勉強会となりました。
この記事では、その時のレポートとして、Codex を長時間安定して自律的に動かすためのプラクティスや、計画の外部化手法など、OpenAI 社のエンジニアから直接聞いた実践的な知見をまとめています。
イベント概要
- 日時:2026/04/23 17:00 - 18:00
- 会場:オンライン
- 講師:Nakano Takeshige 氏、Ishida Shuhei 氏、Utsunomiya Shoko 氏
- 参加者:約 310 名
- アジェンダ:
解説(40 分)
ハーネス最適化
- Codex を長時間走らせる
- Codex の高度な設定
- Q&A(20 分 ※盛り上がりにより 5 分ほど延長)
長時間安定してタスクを実行するために
今回の勉強会で一貫して扱われたテーマは「どのようにして Codex に自律的にタスクを遂行してもらうか?」でした。
今回の勉強会で扱われた内容で公式ドキュメントの関連のあるものは、関連資料のセクションにも記載しています。
Codex の強み
Codex の強みを整理すると、次のような点が挙げられます。
- 高い指示追従能力
与えられた指示に沿いながら、目的を見失わずにタスクを進める。
- 高い推論能力
実行結果や現在のコードベースの状態を踏まえ、次に取るべきアクションを提案・実行しやすい。
- コンテキストコンパクション機能
コンテキストの自動圧縮機能により、コンテキストが埋まってもタスクを中断したり、ドリフトしたりせずにタスクを進める。
長時間タスク遂行のための基礎
長時間に渡ってタスクを遂行してもらうために、まず意識するべきなのは次の 3 点です。
- 完了条件の明確化
「何を達成できたら完了か」という観点を明確にする必要がある。
- アプリケーションのコード自体が書けた状態を目標にするのではなく、「動作の検証(テストなど)がすべてパスしていること」を目標として定義することが大切。
- マイルストーンごとのエージェントによる自己検証の徹底
タスクを細かく分割し、1 つのマイルストーン終了時に lint, build, test などを実行させ、それらの検証がパスした後に次のステップに進むようにすることが大切。
- これらのルールは AGENTS.md レベルで徹底させる。
- 知識・計画の外部化
こちらについては、次の章で扱います。
とくに大切な点:知識・計画の外部化
目標や検証内容、アプリケーションの仕様などをすべてプロンプトだけで保持しようとすると、不要な情報でコンテキストが圧迫されるため、挙動が不安定になることがあります。
これを防ぐために、知識や計画は外部のファイルに書き出して管理します。
プロダクトの知識に関わるドキュメント作成時のポイント
知識に関わるドキュメントを 1 つのファイルで作成する場合、プロンプトで大量の情報を与えた場合と同様に、不要な情報でコンテキストが圧迫されるという問題が起こり得ます。
この問題を回避するために、ドキュメント自体を構造化し、Codex にはドキュメントのツリーの構造を渡すようにします。
AGENTS.md では簡潔な目次を記載し、それぞれのドキュメントへのパスを記載します。
ドキュメントの内部にサブディレクトリがある場合は、サブディレクトリ内に index.md のような目次となる md ファイルを準備することも有効です。(下記例の※)
このような対応により、Codex が必要な時に必要な情報だけを探索して取得できるようになります。
ディレクトリ構成の例
AGENTS.md <- Codex が参照する全体方針とドキュメントの目次
docs/ <- ドキュメントをまとめたディレクトリ
├── plans.md <- 計画・進捗に関するドキュメント
└── design/ <- デザインに関する情報をまとめたディレクトリ
├── index.md <- ※ design ディレクトリ内の目次
├── color.md <- 具体的な色の定義
└── components.md <- 具体的なコンポーネントの仕様計画を外部化する手段として紹介された具体例
計画を外部化する手段として、次の 3 つのアプローチが紹介されました。
- プランモード(環境によっては /plan コマンド)
Codex で利用できるコマンドの一つ。
- 実装する前に、コンテキストの収集や、質問を通した方針のすり合わせを行うことができる。
- ExecPlans
標準的なガイドラインを md ファイルとして作成しておき、タスク実行時にはその md ファイルに従うように指示する。
- 計画したファイルを更新しながら Codex が作業することにより、ドリフトを抑える効果がある。
- 詳細:
Using PLANS.md for multi-hour problem solving
- 複数マークダウンファイルによる知識の外部化
ExecPlans の方法を拡張し、目的に応じてさらに細かく md ファイルに分割して計画を管理します。
- 詳細:
Run long horizon tasks with Codex
長時間タスクに向いているユースケースの例
ここまでの説明にある通り、目標とその検証の設定が明確にできるタスクの場合に、Codex は安定して長時間タスクに取り組むことができます。
ユースケースの例としては次のようなものが挙げられます。
- 向いている例
リファクタリング・マイグレーション
- SDK・API の移行
- 既存プロダクトへのスペックドリブンな機能実装
- 条件付きで向いている例
グリーンフィールドの大きめの開発
plan・spec・validation などが明確に定められている場合は可能
- Data・content pipeline の自動化
入力・出力・評価プロセスが明確に定められている場合は可能
- あまり向いていない例
要件探索
- 受け入れ基準が主観的なタスク
Q&A セッション
解説終了後には質疑応答の時間もありました。
さまざまな視点や観点で多くの質問が飛び交い、Codex というツールの活用の幅広さや、社員が持っている関心の高さを実感しました。
ここでは、いくつかの質疑応答を抜粋して紹介します。
- Q1. 手触り感が必要な UI への対応策はあるか?
UI の手触り感が重要な場面では、ChatGPT Images 2.0 などの画像生成機能を Codex 上で活用してデザイン案を何度か生成・修正し、その結果を踏まえて実装に進む方法が紹介されました。
- Q2. 他の AI エージェントツールと比較したとき、Codex がとくに優れているタスク領域はどこか?
Codex の強みは「指示に忠実に従う能力」と「高いリーズニング能力」がよく挙げられる。また、長時間タスクにおいても強いとよく言われている。
- Q3. ゴールが明確でない「探索型」のタスクにおいて、有効なアプローチやベストプラクティスはあるか?
探索型タスクは「長時間走らせる」という観点では相性が良いとは限らないものの、Codex のプランモード(環境によっては /plan コマンド)を活用したアプローチとは相性が良い。また、テクニカルな手法として、複数のサブエージェントを同時に立ち上げ、それぞれ異なる観点でアイデア出しを行わせ、それらを統合しながらイテレーションを回していく手法も有効だ。
印象に残ったこと
① Codex が扱えるのは、Codex が認識できるもの
「何を当たり前のことを言ってるんだ?」と思われた方もいるかもしれません。
ここで大切だったポイントは、人によるチェックが必要になった場面で、その問題は、エージェント自身が認識できる情報が不足していたために、タスクを先に進めることができなかったのか?を考えた方が良いということです。
例として挙げられていたのは、画面構成のチェックやログ、メトリクスの確認です。
画面構成の確認には、スクリーンショットや DOM スナップショットを用いること、ログやメトリクスの確認には LogQL や PromQL を利用することでエージェント自身が判断に必要な情報を参照しやすくなります。
エージェント利用時に自身が確認に入らないといけない場面に遭遇したら、何のために自分が必要だったのかを整理し、それをエージェントが認識し解決する方法がないかを調べようと思いました。
② 人のタスク管理にも通じる長時間タスクの原則
Codex に長時間にわたってタスクを遂行してもらう、というテーマの最初に説明されたのは、目標・完了条件・受け入れ条件を明確に定義すること、タスクを分解させ、それぞれのマイルストーンに応じた検証環境を準備・実施し、パスしない限り次のステップには進ませない仕組みを作ることでした。
このような内容自体は、エージェントを利用した開発を進めるにあたり、よく言及されることだと思います。
私の印象に残った理由としては、あまりにも人のタスク管理にも当てはまる内容だと再認識したからです。
普段の、コーディングのタスクかどうかにかかわらず、チームメンバーへの依頼や自分自身のタスクを進める際に、もっと正確に計画をたて効率化する余地があるかもしれないと考えさせられました。
③ エージェントの承認・安全性に関する仕組み
こちらは、Codex の承認・安全性に関する機能として紹介されました。
これは、エージェントによるリスクの高い操作時に、人が行わなければならない確認を専用のサブエージェントに移譲できる仕組みになります。
人が確認する負担を軽減させつつ、リスクを適切に見極めようとする機能が、Codex の機能としてサポートが進められていることは、非常にありがたく感じました。
おわりに
今回は、AI 開発の最先端にいる OpenAI 社から講師をお招きし、直接解説を受け、質疑応答まで対応していただくという非常に貴重な機会をいただくことができました。
この勉強会を通して Codex やエージェントの活用に関わる多くの知見を得ることができました。
昨今急激に変化している AI の領域において、このような最前線の方の話を聞けることは圧倒的な福利厚生だと感じます。
また、Anthropic 社から講師をお招きした勉強会もすでに開催され、現在イベントレポートを準備中です。公開された際にはぜひご確認ください。
関連資料
- エージェントループについて
Codex エージェントループの展開
- OpenAI 社の社内での Codex 活用例
ハーネスエンジニアリング:エージェントファーストの世界における Codex の活用
- Codex のユースケース集
Codex Use Cases
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