CA DATA NIGHT #10 〜データ基盤の「正解」は、Databricksにあります〜 開催レポート
こんにちは。メディア統括本部 Data Science Center(DSC)の山田 (@___ryamaaa) です。
先日、2026 年 6 月 25 日に「CA DATA NIGHT #10 〜データ基盤の『正解』は、Databricks にあります〜」をオフラインで開催しました。
今回のテーマは「Databricks 最新機能全部盛り」です。基盤移行、AI 活用、セキュアな運用設計まで、異なる現場の実践を通して、データ基盤をどのように事業価値へつなげるかが共有されました。
イベント概要
CA DATA NIGHT は、サイバーエージェントが主催するデータサイエンス領域の技術勉強会です。今回は Abema Towers で開催し、申込は 120 枠に対して 127 名でした。
イベントページはこちらです。
https://cyberagent.connpass.com/event/393631/
当日は、Databricks を中心とした基盤移行の現場知見に加え、Genie(※AI エージェント機能)を含む AI 活用、セキュアなデータ連携の実装論まで、運用フェーズを見据えた具体的なトピックが共有されました。
また各セッションに先立ち、データブリックス・ジャパン代表の笹さんから、Databricks が目指す Data + AI プラットフォーム(データと人工知能を統合したプラットフォーム)の考え方や、レイクハウス(Lakehouse)と AI を組み合わせた最新の取り組みについてご紹介いただきました。

以下、各セッションの内容をご紹介します。
発表内容
セッション① あの手この手で今をときめけ!Databricks!
データブリックス・ジャパンの桑野 章弘さんからは、Data + AI Summit 2026 で発表された内容を中心に、Databricks の最新動向が共有されました。Databricks の全体像をおさらいしたうえで、データ取り込みから変換、運用までを支える Lakeflow(※データフロー管理機能)、運用ループを AI エージェントで支援する Genie ZeroOps(※ゼロオペレーションを実現する AI 運用機能)、さらに Lakebase や Lakehouse//RT(リアルタイム処理)によるトランザクション・分析・リアルタイム処理の統合といったアップデートが紹介されました。
Data + AI Summit 2026 の現地参加レポートはこちらです。
https://developers.cyberagent.co.jp/blog/archives/64400/
後半では、Genie Ontology(※企業文脈を構造化する機能)による企業文脈の活用、Unity AI Gateway による AI 利用のガバナンス・可視化・コスト管理、複数の AI エージェントハーネスを束ねる Omnigent など、データ基盤と AI 活用を一体で運用するための機能も取り上げられました。Databricks を単なる分析基盤ではなく、データエンジニアリング、アプリケーション、AI エージェントを横断して扱うプラットフォームとして捉える導入セッションとなりました。

発表資料はこちらです。
セッション② データ・ワンにおけるリテールメディア基盤のDatabricks移行と活用の現在地
株式会社データ・ワンの曽根高 幹大さんからは、Redshift運用で顕在化した性能課題とコスト課題に対し、少人数体制でも現実的に進められる移行戦略が共有されました。
既存アーキテクチャをできる限り維持しながら移行リスクを抑え、約2か月で本番移行を完了させたプロセスが示されました。
セッションでは、移行完了をゴールにせず、その後の活用まで設計する重要性が示されました。Genieによる自然言語分析の展開、サーバーレス運用の最適化、さらにBigQueryやSnowflakeも含めた実務的なデータ連携方針など、事業要件に応じて基盤を使い分ける判断が紹介されました。
本セッションでは、「Databricksに寄せ切るかどうか」ではなく「現場の要件を最短で満たし続けられるか」を軸にした意思決定プロセスが説明されました。
発表資料はこちらです。
セッション③ Databricks 導入から Genie 活用まで、全部やった話
株式会社GOODROIDの上妻 靖広さんからは、データサイロと手作業中心の分析プロセスを、どのように自律的な運用へ置き換えたかが共有されました。抽出依頼の中継やスプレッドシート作業に時間を取られる状態から、Unity Catalogを含む基盤整備とデータモデリングの見直しを通じて、誰もが使える分析環境へ移行していった実践です。
発表では、基盤の見た目を整えることよりも、業務フローをどのように変えるかが主題となっていました。再現性を重視したデータ再構築設計、Unity Catalogによる職能グループ単位の権限管理、AIアシスタントによるスキーマ推論の活用など、少人数でも安全に運用するための工夫が紹介されました。
さらにGenie活用によるセルフサービス分析の浸透によって、企画・運用メンバーの仮説検証サイクルが短くなった点が示されました。Slack用Genieアプリを通じて、日常的なチャットの中からデータを取り出せるようにした取り組みも紹介され、データの民主化を現場の業務導線に組み込む実践として共有されました。
本セッションでは、ツール導入で終わらせず、品質管理と運用改善を継続することがデータ民主化の前提である点が示されました。
発表資料はこちらです。
セッション④ 専任 DE ゼロからのデータ基盤構築 – Databricks x IaC x AI で進める「データの民主化」
株式会社 AI Shift の大長 拓磨さんからは、専任データエンジニアが不在に近い小規模体制で、どのように分析基盤を再設計したかが共有されました。AI Worker VoiceAgent のデータ活用を支えるため、外部向けダッシュボード提供の要件を起点に、運用負荷、ガバナンス、属人化という課題を整理し、BigQuery 中心の構成から Databricks 中心の構成へ再構築したプロセスが説明されました。
Auto Loader や Lakeflow を活用したデータ取り込みの統一、メダリオン構成(Medallion Architecture)、Terraform や Declarative Automation Bundle(旧称:Databricks Asset Bundle)による IaC(Infrastructure as Code)管理、そしてコスト設計の見直しを通じて、運用可能なラインまで仕組みを落とし込んだプロセスが説明されました。さらに Genie 導入では、公開対象テーブルを絞り、カラム定義や指示文を整備して精度を担保するなど、「使える状態を作るための前処理」が示されました。
本セッションでは、「導入して終わり」ではなく、利用拡大に合わせたモニタリングとチューニングの継続が必要であることが説明されました。ビジネスメンバーが自ら分析し、改善のサイクルを回せる状態を作るために、データ基盤と AI 活用を一体で設計する重要性が示されました。
発表資料はこちらです。
セッション⑤ AWS PrivateLink × SCIM で実現する、セキュアで運用負荷の低い Databricks 基盤の構築
サイバーエージェント DSC の津田 均さんからは、限られたリソースでデータ基盤を運用しながら、セキュリティ要件を高めていく実装アプローチが共有されました。PrivateLink を用いた通信経路の設計や、運用負荷を抑えるための構成選定が具体的に説明されました。
また、Declarative Automation Bundle(旧称:Databricks Asset Bundle)を活用したジョブ定義のコード管理、環境ごとのデプロイ運用など、属人化を避けるための基盤運用設計も紹介されました。小規模体制でも、マネージド機能と運用ルールを組み合わせることで、セキュアかつ継続可能なデータ基盤を構築できることが示されました。
発表資料はこちらです。
津田さんによる登壇振り返りブログも公開されています。
https://bynatures.hatenadiary.jp/entry/2026/06/29/195942
まとめ
今回の 5 セッションに共通していたのは、いずれの発表でも「限られた体制で、運用可能な形に落とす」ことが重視されていた点です。大きな再設計よりも、再現性・権限管理・運用性を押さえた設計を積み重ねることで、活用スピードを高め、事業側の意思決定につなげるアプローチが共有されました。
Databricks の活用は、単なる DWH(データウェアハウス)置き換えにとどまらず、データへのアクセス方法そのものを見直す取り組みとして提示されました。
おわりに
発表後の懇親会では、移行時の意思決定、Genie の運用設計、権限管理の実務などについて議論が行われました。

ご参加いただいたみなさま、登壇者のみなさま、ありがとうございました。CA DATA NIGHT では、今後も実務に活かせるデータ基盤・AI 活用の知見を発信していきます。ご興味のある方は、ぜひ connpass のサイバーエージェントグループをフォローしてください。
原文を表示
こんにちは。メディア統括本部 Data Science Center(DSC)の山田(@___ryamaaa)です。
先日、2026年6月25日に「CA DATA NIGHT #10 〜データ基盤の『正解』は、Databricksにあります〜」をオフラインで開催しました。
今回のテーマは「Databricks 最新機能全部盛り」です。基盤移行、AI活用、セキュアな運用設計まで、異なる現場の実践を通して、データ基盤をどのように事業価値へつなげるかが共有されました。
イベント概要
CA DATA NIGHTは、サイバーエージェントが主催するデータサイエンス領域の技術勉強会です。今回はAbema Towersで開催し、申込は120枠に対して127名でした。
イベントページはこちらです。
https://cyberagent.connpass.com/event/393631/
当日は、Databricksを中心とした基盤移行の現場知見に加え、Genieを含むAI活用、セキュアなデータ連携の実装論まで、運用フェーズを見据えた具体的なトピックが共有されました。
また各セッションに先立ち、データブリックス・ジャパン代表の笹さんから、Databricksが目指すData + AI プラットフォームの考え方や、レイクハウスとAIを組み合わせた最新の取り組みについてご紹介いただきました。

以下、各セッションの内容をご紹介します。
発表内容
セッション① あの手この手で今をときめけ!Databricks!
データブリックス・ジャパンの桑野 章弘さんからは、Data + AI Summit 2026で発表された内容を中心に、Databricksの最新動向が共有されました。Databricksの全体像をおさらいしたうえで、データ取り込みから変換、運用までを支えるLakeflow、運用ループをAIエージェントで支援するGenie ZeroOps、さらにLakebaseやLakehouse//RTによるトランザクション・分析・リアルタイム処理の統合といったアップデートが紹介されました。
Data + AI Summit 2026の現地参加レポートはこちらです。
https://developers.cyberagent.co.jp/blog/archives/64400/
後半では、Genie Ontologyによる企業文脈の活用、Unity AI GatewayによるAI利用のガバナンス・可視化・コスト管理、複数のAIエージェントハーネスを束ねるOmnigentなど、データ基盤とAI活用を一体で運用するための機能も取り上げられました。Databricksを単なる分析基盤ではなく、データエンジニアリング、アプリケーション、AIエージェントを横断して扱うプラットフォームとして捉える導入セッションとなりました。

発表資料はこちらです。
セッション② データ・ワンにおけるリテールメディア基盤のDatabricks移行と活用の現在地
株式会社データ・ワンの曽根高 幹大さんからは、Redshift運用で顕在化した性能課題とコスト課題に対し、少人数体制でも現実的に進められる移行戦略が共有されました。
既存アーキテクチャをできる限り維持しながら移行リスクを抑え、約2か月で本番移行を完了させたプロセスが示されました。
セッションでは、移行完了をゴールにせず、その後の活用まで設計する重要性が示されました。Genieによる自然言語分析の展開、サーバーレス運用の最適化、さらにBigQueryやSnowflakeも含めた実務的なデータ連携方針など、事業要件に応じて基盤を使い分ける判断が紹介されました。
本セッションでは、「Databricksに寄せ切るかどうか」ではなく「現場の要件を最短で満たし続けられるか」を軸にした意思決定プロセスが説明されました。
発表資料はこちらです。
セッション③ Databricks 導入から Genie 活用まで、全部やった話
株式会社GOODROIDの上妻 靖広さんからは、データサイロと手作業中心の分析プロセスを、どのように自律的な運用へ置き換えたかが共有されました。抽出依頼の中継やスプレッドシート作業に時間を取られる状態から、Unity Catalogを含む基盤整備とデータモデリングの見直しを通じて、誰もが使える分析環境へ移行していった実践です。
発表では、基盤の見た目を整えることよりも、業務フローをどのように変えるかが主題となっていました。再現性を重視したデータ再構築設計、Unity Catalogによる職能グループ単位の権限管理、AIアシスタントによるスキーマ推論の活用など、少人数でも安全に運用するための工夫が紹介されました。
さらにGenie活用によるセルフサービス分析の浸透によって、企画・運用メンバーの仮説検証サイクルが短くなった点が示されました。Slack用Genieアプリを通じて、日常的なチャットの中からデータを取り出せるようにした取り組みも紹介され、データの民主化を現場の業務導線に組み込む実践として共有されました。
本セッションでは、ツール導入で終わらせず、品質管理と運用改善を継続することがデータ民主化の前提である点が示されました。
発表資料はこちらです。
セッション④ 専任DEゼロからのデータ基盤構築 – Databricks x IaC x AIで進める「データの民主化」
株式会社AI Shiftの大長 拓磨さんからは、専任データエンジニアが不在に近い小規模体制で、どのように分析基盤を再設計したかが共有されました。AI Worker VoiceAgentのデータ活用を支えるため、外部向けダッシュボード提供の要件を起点に、運用負荷、ガバナンス、属人化という課題を整理し、BigQuery中心の構成からDatabricks中心の構成へ再構築したプロセスが説明されました。
Auto LoaderやLakeflowを活用したデータ取り込みの統一、メダリオン構成、TerraformやDeclarative Automation Bundle(旧称: Databricks Asset Bundle)によるIaC管理、そしてコスト設計の見直しを通じて、運用可能なラインまで仕組みを落とし込んだプロセスが説明されました。さらにGenie導入では、公開対象テーブルを絞り、カラム定義や指示文を整備して精度を担保するなど、「使える状態を作るための前処理」が示されました。
本セッションでは、「導入して終わり」ではなく、利用拡大に合わせたモニタリングとチューニングの継続が必要であることが説明されました。ビジネスメンバーが自ら分析し、改善のサイクルを回せる状態を作るために、データ基盤とAI活用を一体で設計する重要性が示されました。
発表資料はこちらです。
セッション⑤ AWS PrivateLink × SCIM で実現する、セキュアで運用負荷の低い Databricks 基盤の構築
サイバーエージェント DSCの津田 均さんからは、限られたリソースでデータ基盤を運用しながら、セキュリティ要件を高めていく実装アプローチが共有されました。PrivateLinkを用いた通信経路の設計や、運用負荷を抑えるための構成選定が具体的に説明されました。
また、Declarative Automation Bundle(旧称: Databricks Asset Bundle)を活用したジョブ定義のコード管理、環境ごとのデプロイ運用など、属人化を避けるための基盤運用設計も紹介されました。小規模体制でも、マネージド機能と運用ルールを組み合わせることで、セキュアかつ継続可能なデータ基盤を構築できることが示されました。
発表資料はこちらです。
津田さんによる登壇振り返りブログも公開されています。
https://bynatures.hatenadiary.jp/entry/2026/06/29/195942
まとめ
今回の5セッションに共通していたのは、いずれの発表でも「限られた体制で、運用可能な形に落とす」ことが重視されていた点です。大きな再設計よりも、再現性・権限管理・運用性を押さえた設計を積み重ねることで、活用スピードを高め、事業側の意思決定につなげるアプローチが共有されました。
Databricksの活用は、単なるDWH置き換えにとどまらず、データへのアクセス方法そのものを見直す取り組みとして提示されました。
おわりに
発表後の懇親会では、移行時の意思決定、Genieの運用設計、権限管理の実務などについて議論が行われました。

ご参加いただいたみなさま、登壇者のみなさま、ありがとうございました。CA DATA NIGHTでは、今後も実務に活かせるデータ基盤・AI活用の知見を発信していきます。ご興味のある方は、ぜひconnpassのサイバーエージェントグループをフォローしてください。
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