MN-Core Technology Conference 25を開催
Preferred Networks は生成 AI 需要の高まりを受け、自社の独自半導体「MN-Core」の設計思想や性能、そして LLM 推論における価値を詳述する初回カンファレンスを開催し、アーキテクチャ競争の重要性と未来の開発像を示した。
キーポイント
MN-Core の設計思想と展望
ニアメモリ構造や L1000 の位置づけを解説し、微細化依存からアーキテクチャ設計力への転換期にある半導体業界の現状を分析した。
生成 AI 時代における計算価値
研究用途から産業インフラへ移行する中で、LLM 推論における「Tokens/sec」や Thinking/Tool use の速度が競争優位性の鍵であると強調した。
ハードとソフトの協調設計
DRAM 管理や物理層の変動への対応など、ソフトウェア側からのデータ移動最適化を含めたシステム全体の設計思想を語った。
AI を活用した次世代開発
設計リードタイムの短縮や AI による自動移植・ドキュメント生成など、開発プロセス自体が AI と協調する未来像を提案した。
影響分析・編集コメントを表示
影響分析
本記事は、独自半導体メーカーとしての Preferred Networks が、単なるハードウェア販売ではなく、生成 AI インフラとしてのシステム全体最適化を推進する戦略的転換点を示しています。特に、微細化の限界が叫ばれる中でアーキテクチャ設計の重要性を再認識させ、業界全体の開発パラダイム変化(AI 活用による設計自動化)への先導役としての役割を強調しており、投資家や技術者にとって重要な示唆を含んでいます。
編集コメント
独自半導体の開発背景にある「プロセス依存からの脱却」という業界の大きな潮流を、自社の技術スタンスと結びつけて語った貴重な記録です。特に開発プロセス自体の AI 化への言及は、今後の半導体設計現場の変化を示唆しており注目すべき点です。
はじめに
昨年、2025年12月16日にMN-Coreに関するイベント「MN-Core Technology Conference 25」を開催しました。お忙しい中、会場までお越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回が第一回目のMN-Core Technology Conferenceとなります。ここ数年で生成AIの普及とともに計算リソースや半導体への需要が高まる中、皆様にもっとMN-Coreについて知っていただきたいと考え、本カンファレンスを企画いたしました。

当日のスライド
本イベントで使用したスライドはSpeaker Deckでも公開しています。
当日の議論を振り返る際や、セッション内容の補足として併せてご覧ください。
A会場
- MN-Coreの展望 的矢 知樹(AIコンピューティング事業本部 事業戦略・プロダクトマーケティング部 部長)
- MN-Coreの設計思想 牧野 淳一郎(コンピュータアーキテクチャ担当CTO)
- MN-Core Arch deep dive 真島 優輔(AIコンピューティング事業本部 MN-Core 開発部 Engineering Manager)
- 誰もがMN-Coreを利用できるAIクラウドサービス: Preferred Computing Platform 照屋 大地(AIコンピューティング事業本部 基盤技術部 部長)
B会場
MN-Coreの性能を引き出す技術〜HPL/姫野ベンチマーク編〜 安達 知也(AIコンピューティング事業本部 ソフトウェア開発部 エンジニア)
MN-Core SDK × LLM推論 樋口 兼一(AIコンピューティング事業本部 ソフトウェア開発部 エンジニア)
坂本 亮 (AIコンピューティング事業本部 ソフトウェア開発部 部長)
※所属・役職は開催当時のものです
パネルディスカッション
今回のMN-Core Technology Conference 25では、各セッションに加え、締めくくりとしてパネルディスカッション「Inside MN-Core」も実施しました。セッションの模様の一部をレポートします。

イントロダクション
最初は気軽に、登壇者それぞれの「好きな計算機」の話題から始まりました。Cellや昔のベクターマシン、Z80、そしてMN-Coreそのものまで挙がり、会場も和やかな雰囲気に包まれました。
MN-Coreの歴史
初代から現在までに2世代をリリースし、さらに次世代やLシリーズを並行して開発を進めていることは、計算機開発としては極めて例外的だという意見がありました。一方で、単に開発を続けるだけでなく、今後2〜3年で「広く市場に受け入れられるシステム」にできるかが勝負であり、いよいよ次のフェーズに入っているという話も交わされました。
MN-Coreを取り巻く環境
生成AIの広がりにより「計算そのものに価値が生まれる」流れがさらに強まっているという点が繰り返し話題に上りました。研究用途が中心だった大規模計算が、今や生成AIの中核インフラとなり、産業界から現実的な計算リソースへの需要が押し寄せています。LLM推論では、特にTokens/secが効いてくるThinkingやTool useが増えるほど「出力の速さ」の価値が高まり、それがMN-Core Lシリーズの価値に直結しているという指摘がありました。
また、半導体そのものの前提が変わりつつあるという話もありました。微細化のコストは上昇する一方で得られる性能向上は鈍化しており、「最新プロセスを採用すれば勝てる」時代ではなくなりつつあります。だからこそ、アーキテクチャの工夫や設計力で差別化を図る局面が増えているのです。
MN-Coreの特徴とは
ニアメモリの思想を追求したL1000の位置付けや、ソフトウェア側から見た「データの動きの追いやすさ」について言及がありました。さらに踏み込んで、DRAMの扱い方や、電流・電圧変動といった物理的な課題への向き合い方についても議論され、「ハードウェアだけ」「ソフトウェアだけ」ではなく、双方が協調して計算を行う設計思想が浮き彫りになるセッションだったと思います。
MN-Coreの未来
最後は、やや未来志向の話題で盛り上がりました。物理設計やP&Rのリードタイムが長期化しているが、AIやツールを活用して自動化・高速化できる余地があるのではないか、設計・実装・コーディングの現場そのものがAIとの協働を前提に変わっていくのではないか、といった意見が出ました。「MN-Core向けに移植して」と依頼すればAIが対応し、ドキュメントも人間だけでなくAIが読むことを前提とするかもしれない、といった「次の開発の姿」まで視野が広がるセッションとなりました。
全体として、過去10年の振り返り、現在の競争環境、MN-Core/Lシリーズの狙い、そしてAIを活用した未来像までが一つの流れとして繋がる内容でした。
2026年もMN-Coreに関する情報発信を積極的に行ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします!
投稿 MN-Core Technology Conference 25を開催しました は Preferred Networks Tech Blog に最初に表示されました。
原文を表示
はじめに
昨年、2025年12月16日にMN-Coreにまつわるイベント 「MN-Core Technology Conference 25」 を開催しました。お忙しい中、会場まで足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。
今回が第一回目のMN-Core Technology Conferenceとなります。ここ数年で生成AIの広がりと共に計算資源や半導体への需要が強くなる中、皆様にもっとMN-Coreのことを知っていただきたいということで今回のConferenceを企画いたしました。

当日のスライド
本イベントで使用したスライドは Speaker Deck にも公開しております。
当日の議論を振り返る際や、セッション内容の補足としてあわせてご覧いただければと思います。
A会場
1.MN-Coreの展望 的矢 知樹(AIコンピューティング事業本部 事業戦略・プロダクトマーケティング部 部長)
2.MN-Coreの設計思想 牧野 淳一郎(コンピュータアーキテクチャ担当CTO)
3.MN-Core Arch deep dive 真島 優輔(AIコンピューティング事業本部 MN-Core 開発部 Engineering Manager)
4.誰もがMN-Coreを利用できるAIクラウドサービス: Preferred Computing Platform 照屋 大地(AIコンピューティング事業本部 基盤技術部 部長)
B会場
MN-Coreの性能を引き出す技術〜HPL/姫野ベンチマーク編〜 安達 知也(AIコンピューティング事業本部 ソフトウェア開発部 エンジニア)
MN-Core SDK × LLM推論 樋口 兼一(AIコンピューティング事業本部 ソフトウェア開発部 エンジニア)
坂本 亮 (AIコンピューティング事業本部 ソフトウェア開発部 部長)
※所属・役職は開催当時のものです
パネルディスカッション
今回のMN-Core Technology Conference 25では、各セッションに加えて、締めくくりとしてパネルディスカッション「Inside MN-Core」も行われました。セッションの模様の一部をレポートします。

イントロダクション
最初は少し肩の力を抜いて、登壇者それぞれの「好きな計算機」からスタートしました。Cellや昔のベクターマシン、Z80、そしてMN-Coreそのものまで出てきて、会場もいい意味で温まりました。
MN-Coreの歴史
初代からここまで、2世代を世に出し、さらに次の世代やLシリーズを並行して進めていること自体が、計算機開発としてはかなり例外的だという話がありました。一方で、ただ作り続けられるだけではなく、ここからの2〜3年で「広くマーケットに受け入れられるシステム」にできるかが勝負で、いよいよ次のフェーズに入っているという話もありました。
MN-Coreを取り巻く環境
生成AIの広がりによって「計算が価値になる」流れが一段と強まっている、という話が繰り返し出てきました。研究用途中心だった大規模計算が、いまや生成AIの中核インフラになり、計算資源への需要が現実に産業側から押し寄せている。LLM推論では、特にTokens/secが効いてくるThinkingやTool useが増えるほど“出力が速い価値”は上がるといったところがMN-Core Lシリーズの価値に直結してきています。
また、半導体そのものの前提が変わってきている、という話もありました。微細化のコストは上がる一方で得られる性能向上は鈍化していて、「最新プロセスを使えば勝てる」時代ではなくなりつつある。だからこそ、アーキテクチャの工夫や設計力で勝負が決まる局面が増えているわけです。
MN-Coreの特徴とは
ニアメモリの思想を突き詰めたL1000の位置づけや、ソフトウェア側から見た“データの動きの追いやすさ”が取り上げられました。さらに踏み込んだところでは、DRAMをどう扱うか、電流・電圧の変動のような物理側の難しさにどう向き合うか、といった話も出ていて、「ハードだけ」「ソフトだけ」が協調しながら計算を行う設計思想が見えるセッションだったと思います。
MN-Coreの未来
最後は、もう少し未来寄りの話で盛り上がりました。物理設計やP&Rのリードタイムが長くなっているが、AIやツールを使って自動化・高速化できる余地があるのではないか、設計・実装・コーディングの現場そのものがAIとの協調を前提に変わっていくのではないか、といった話が出てきました。「MN-Core向けにして」と頼めばAIが移植してくれ、ドキュメントも人間だけでなくAIが読む前提になるかもしれない、といった“次の開発の姿”まで視野が広がったセッションとなりました。
全体として、10年の振り返り、現在の競争環境、MN-Core/Lシリーズの狙い、そしてAIを活用した未来像まで、一つの流れとしてつながるセッションでした。
2026年はMN-Coreにまつわる情報発信をどんどんとしていく予定ですので、皆様よろしくお願いいたします!
投稿 MN-Core Technology Conference 25を開催しました。 は Preferred Networks Tech Blog に最初に表示されました。
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