n8nを試してみた
HEROZ Tech Blog の記事は、情シス担当者が n8n を活用して LLM とワークフローを組み合わせ、社内問い合わせ分析の業務効率化を実現した具体的な導入事例と実装手順を紹介している。
キーポイント
n8n の特徴と導入メリット
ノーコード/ローコードで LLM を組み込んだ自動化が可能で、Docker による簡易インストールやオフライン動作により情報漏洩リスクを低減できる点が強調されている。
具体的な業務自動化ユースケース
PDF の自動解析、メールの自動仕分け・返信生成、会議議事録の作成など、プログラミングが苦手な層でも AI を活用した実務改善が可能である事例が挙げられている。
情シス部門での実践事例
数百件に及ぶ問い合わせ窓口データを Slack から収集し、複数の LLM を連携させて分析・清書するワークフローを構築し、年次振り返りの時間を大幅に短縮した成功例が紹介されている。
技術的実装と構成
Docker コマンドでの起動方法や、ノードをつなぎ合わせるビジュアルエディタの操作方法、Slack と OpenAI を連携させるワークフローの具体例が図解付きで解説されている。
n8nの主な特徴と利点
コーディング不要でSaaS連携やAI機能を活用した自動化が可能だが、ドキュメントが英語のみで不十分である。
導入時の課題と代替手段
日本語ドキュメントの不足や保守性の観点から、現状ではGoogle App Script等での業務自動化が多い。
影響分析・編集コメントを表示
影響分析
この記事は、大規模な AI ツール導入の前に、n8n のようなローカル実行可能なオープンソースツールで Proof of Concept (PoC) を検証する有効なアプローチを示しています。特に情報セキュリティを重視する組織において、外部クラウド依存を避けつつ LLM の業務効率化メリットを取り入れるための具体的なロードマップを提供しており、現場レベルでの AI 実装のハードルを下げる意義があります。
編集コメント
セキュリティ要件の高い現場でも、Docker によるローカル構築で LLM を安全に活用できる実例として非常に参考になります。ノーコードツールの進化により、IT 部門以外の業務担当者が AI 自動化の主体となれる可能性を示唆しています。
n8nを使ってみた
n8nというオープンソースのワークフロー自動化ツールを使ってみました。筆者は、情シス部門で働いているのですが、社内の業務効率化の問い合わせを受けることがあり、Google App Scriptをメインに業務自動化ツールを作成しています。ただ、入社したてだったということもあり、AIについて知識がなく、また、AIを使えばより高度な業務自動化を行えるのではないかと考えていたところ、Youtubeの技術解説動画でn8nを知り、試しに触ってみることにしました。
n8nとは、簡単に言えば、LLM+ワークフローを使った自動化ができるツールです。幅広いSaaS(Slack, Notion, Google, X, AWS, Azureなど)と連携することができます。パワーポイントの図形を使うような形でAIを使ったプログラムを作成できるので、特に、プログラミングはあまりできないけど、日々の作業をAIを使って自動化したいような方におすすめです。

n8nの特徴としては下記が挙げられます:
ノーコード、ローコード:簡単なものであればノーコードでプログラムを作成できる
例えば、AIサービスのプロトタイプなどを作る際に便利
インストールが簡単:Dockerイメージがあるので、気軽に導入することができる
Dockerをインストールしてあれば、コマンド1つでサービスを起動することができる
情報漏洩の心配がない:オフラインでも使用できるため、情報管理に厳しい会社でも安心して使える
Ollamaやローカルのデータベースなどと連携して使うこともできる
無料:オープンソースなのでローカルで構築すれば無料で使える
n8nでできることとしては、下記のような例が挙げられます:
PDFの自動解析 スキャンした領収書や見積書の内容をAIで自動解析してExcel化
メール返信の自動仕分け 毎日送られてくる問い合わせメールをAIで解析し、回答を自動生成する
会議の内容の自動共有 録画した会議の内容をAIで議事録化し、社内に自動共有するシステム
とりあえず試しに触ってみたい方は、Dockerイメージが用意されているので、Dockerをインストールしている環境であれば、下記のコマンドを実行するだけで起動できます。
docker volume create n8n_data docker run -it --rm --name n8n -p 5678:5678 -v n8n_data:/home/node/.n8n docker.n8n.io/n8nio/n8n
n8nでは、ノードと呼ばれるブロックをつなぎ合わせることでワークフロー(プログラム)を作成することができます。パワポの図形作成のように感覚で作れてしまうのがとても魅力的です。
例えば、Slack上でOpenAIとチャットするためのワークフローを作成する場合は下図のような流れになります。
①ノードの選択
②ノードの配置
③ノード同士を接続する
④AI Agentにツールをつなげて機能を拡張する
⑤1~4を繰り返して完成
情シスでは、1年の振り返りとして、問い合わせ窓口に来る内容を分析して次のアクションを計画するのですが、今回、その作業を自動化するプログラムをn8nで作成してみました。問い合わせ件数は数百件に上るため、LLMで自動化できれば時間短縮になりますし、業務効率化のひらめきに繋がるアドバイスをくれるかもしれないと思い作成しました。
ワークフローのおおまかな流れは下記の通りです:
Slackから問い合わせチャンネルの内容を収集してGoogleスプレッドシートに保存する。
複数のLLMを組み合わせて、順番に「概要」、「ユーザ毎の問い合わせ件数の上位」、「月毎の問い合わせ件数の上位」、「よく出てくるキーワード」、「その他(気づき)」をそれぞれ生成し、最後に清書する。
問い合わせを自動分析するワークフロー
最終的な結果は下記の通りです(情報はぼかしています):
ヘルプデスク問い合わせ受付の分析結果 ## 概要 本期間中の問い合わせは、ネットワークやクラウド基盤の設定変更に加え、各種業務管理システムにおけるユーザーアカウントの新規発行や権限変更、及びセキュリティ・アクセス管理の依頼が多く寄せられています。問い合わせ内容は、システム運用やセキュリティポリシーの柔軟な運用、社内外の情報共有環境の整備に関連しており、急なトラブル対応から計画的なサービス変更の依頼まで多岐にわたっています。これにより、各システムの管理体制の見直しと、各部署間の連携強化が喫緊の課題として浮かび上がっています。 ## ユーザ別の問い合わせ件数 1. Aさん:30件 例:「顧客のコミュニケーションツール利用について、有料版への移行に関する問い合わせ」 2. Bさん:20件 例:「人事管理システムの管理者権限の発行依頼や承認プロセスの設定変更」 3. Cさん:19件 例:「ソースコード管理ツールへのアクセス許可依頼やグループ内のメンバー追加・削除依頼、及び社内システム連携に関する問い合わせ」 ... ## 月別の問い合わせ件数 1. 2025/01:39件 例:複数のシステムの新規グループ作成、アカウント発行、及びアクセス権限の付与依頼が突出しています。 2. 2024/08:31件 例:PC交換に伴うデバイス承認、アカウントの追加、及び基本システム連携に関する問い合わせが中心でした。 3. 2024/10:30件 例:コミュニケーションツール内のグループ・チャンネル作成、登録依頼、外部連携の設定依頼など、コミュニケーションおよびセキュリティ施策に関する要求が多く寄せられました。 ... ## キーワード 1. アドレス管理 ─ アドレス登録、変更、設定など、ネットワーク設定に関する問い合わせが頻出。 2. セキュリティ管理システム ─ セキュリティポリシー、アクセス許可設定、リスク管理など、通信制御や安全性確保に関する依頼。 3. 業務管理システム ─ アカウント新規発行、権限変更、連携トラブルなど、業務システムのユーザー管理関連の問い合わせが中心です。 ... ## その他 ・全体として、各種システムの運用・管理に伴う定型的な依頼(アカウント発行や権限変更)に加え、新規機能の導入やシステム連携に伴う急なトラブル対応も多く見受けられ、社内の業務プロセスや連携体制の改善が求められている状況です。 ・特に、アドレス管理に関する依頼が散見されることから、新サービスの立ち上げや既存サービスの移行、セキュリティ強化の動きが活発であると判断できます。 ・また、業務管理システムに関する依頼が多いことは、社内のユーザー管理プロセスが頻繁に行われていることを示唆しており、今後の運用体制の強化が課題となると考えられます。 → チャット履歴はこちら ← Automated with this workflow
具体的な実装は別記事にまとめたいと思いますので、詳細が気になる方はそちらをご覧ください。
n8nを使用してみた印象ですが、とても便利でまだまだ活用の余地があるなと感じました。
一番の特徴はコーディングをしなくてよいところでしょうか。導入はコマンド一つででき、API連携が簡単、プログラムの実行もスケジューリングができるなど、手軽に業務の一連の流れを自動化できるところがとても便利だなと感じています。また、バージョンアップのスピードも早く、MCPノードなどの新しい技術にも随時キャッチアップしており、流行の技術に手軽に触れられるのも良いところだと感じています。
反面、ドキュメントが英語のみ、かつ、充実していないので、まだまだ社内で活用するには課題が多いです。そのため、保守性の観点から、現状はまだGoogle App Script等を使って業務自動化を行うことが多いです。
以下、n8nの特徴をまとめてみました。
コーディングをあまりしなくてもよい。(アイディアの検証におすすめ)
SaaS連携が手軽にできる。(2025年現在では1047個のSaaSを含むツールに対応)
LLM、RAG、AI Agentなど、先進的な技術を使った自動化が行える。
JavascriptやPythonのコードも埋め込めるため、複雑な実装できる。(ただし、使えるライブラリには制限がある)
ドキュメントが英語、かつ、充実していないため、使える人が限られている。
使用できるLLMの機能は少しラグがある。(Open Researchやsimilarity_score_thresholdを使ったRAG等、未実装の機能がある。)
日本のSaaSとの連携は充実していない。(FreeeやKintoneなどとの連携はWebhookノードを使って手動で作りこむ必要がある。)
実は、こちらの記事を書き始めたのが2025年の4月頃だったのですが、その後色々と立て込んでしまい、6か月経ってしまいました。。。最近ではOpenAI BuilderなどLLMのメーカーからこういったツールが出てきており、ますます便利になっていく一方、こういったオープンソースならではの強みがあって、n8nはまだまだ需要があるツールなのではないかと感じています。色々自作するのが好きな方は一度触ってみてはいかがでしょうか?
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n8nというオープンソースのワークフロー自動型のAIツールを使ってみました。 筆者は、情シス部門で働いているのですが、社内の業務効率化の問い合わせを受けることがあり、Google App Scriptをメインに業務自動化ツールを作成しています。ただ、入社したてだったということもあり、AIについて知識がなく、また、AIを使えばより高度な業務自動化を行えるのではないかと考えていたところ、Youtubeの技術解説動画でn8nを知り、試しに触ってみることにしました。
n8nとは、簡単に言えば、LLM+ワークフローを使った自動化ができるツールです。 幅広いSaaS(Slack, Notion, Google, X, AWS, Azureなど)と連携することができます。 パワーポイントの図形を使うような形でAIを使ったプログラムを作成できるので、特に、プログラミングはあまりできないけど、日々の作業をAIを使って自動化したいような方におすすめです。

n8nの特徴としては下記が挙げられます:
ノーコード、ローコード: 簡単なものであればノーコードでプログラムを作成できる
例えば、AIサービスのプロトタイプなどを作る際に便利
インストールが簡単: Dockerイメージがあるので、気軽に導入することができる
Dockerをインストールしてあれば、コマンド1つでサービスを起動することができる
情報漏洩の心配がない: オフラインでも使用できるため、情報管理に厳しい会社でも安心して使える
Ollamaやローカルのデータベースなどと連携して使うこともできる
無料: オープンソースなのでローカルで構築すれば無料で使える
n8nでできることとしては、下記のような例が挙げられます:
PDFの自動解析 スキャンした領収書や見積書の内容をAIで自動解析してExcel化
メール返信の自動仕分け 毎日送られてくる問い合わせメールをAIで解析し、回答を自動生成する
会議の内容の自動共有 録画した会議の内容をAIで議事録化し、社内に自動共有するシステム
とりあえず試しに触ってみたい方は、Dockerイメージが用意されているので、Dockerをインストールしている環境であれば、下記のコマンドを実行するだけで起動できます。
docker volume create n8n_data docker run -it --rm --name n8n -p 5678:5678 -v n8n_data:/home/node/.n8n docker.n8n.io/n8nio/n8n
n8nでは、ノードと呼ばれるブロックをつなぎ合わせることでワークフロー(プログラム)を作成することができます。 パワポの図形作成のように感覚で作れてしまうのがとても魅力的です。
例えば、Slack上でOpenAIとチャットするためのワークフローを作成する場合は下図のような流れになります。
①ノードの選択
②ノードの配置
③ノード同士を接続する
④AI Agentにツールをつなげて機能を拡張する
⑤1~4を繰り返して完成
情シスでは、1年の振り返りとして、問い合わせ窓口に来る内容を分析して次のアクションを計画するのですが、今回、その作業を自動化するプログラムをn8nで作成してみました。 問い合わせ件数は数百件に上るため、LLMで自動化できれば時間短縮になりますし、 業務効率化のひらめきに繋がるアドバイスをくれるかもしれないと思い作成しました。
ワークフローのおおまかな流れは下記の通りです:
Slackから問い合わせチャンネルの内容を収集してGoogleスプレッドシートに保存する。
複数のLLMを組み合わせて、順番に「概要」、「ユーザ毎の問い合わせ件数の上位」、「月毎の問い合わせ件数の上位」、「よく出てくるキーワード」、「その他(気づき)」をそれぞれ生成し、最後に清書する。
問い合わせを自動分析するワークフロー
最終的な結果は下記の通りです(情報はぼかしています):
ヘルプデスク問い合わせ受付の分析結果 ## 概要 本期間中の問い合わせは、ネットワークやクラウド基盤の設定変更に加え、各種業務管理システムにおけるユーザーアカウントの新規発行や権限変更、及びセキュリティ・アクセス管理の依頼が多く寄せられています。問い合わせ内容は、システム運用やセキュリティポリシーの柔軟な運用、社内外の情報共有環境の整備に関連しており、急なトラブル対応から計画的なサービス変更の依頼まで多岐にわたっています。これにより、各システムの管理体制の見直しと、各部署間の連携強化が喫緊の課題として浮かび上がっています。 ## ユーザ別の問い合わせ件数 1. Aさん:30件 例:「顧客のコミュニケーションツール利用について、有料版への移行に関する問い合わせ」 2. Bさん:20件 例:「人事管理システムの管理者権限の発行依頼や承認プロセスの設定変更」 3. Cさん:19件 例:「ソースコード管理ツールへのアクセス許可依頼やグループ内のメンバー追加・削除依頼、及び社内システム連携に関する問い合わせ」 ... ## 月別の問い合わせ件数 1. 2025/01:39件 例:複数のシステムの新規グループ作成、アカウント発行、及びアクセス権限の付与依頼が突出しています。 2. 2024/08:31件 例:PC交換に伴うデバイス承認、アカウントの追加、及び基本システム連携に関する問い合わせが中心でした。 3. 2024/10:30件 例:コミュニケーションツール内のグループ・チャンネル作成、登録依頼、外部連携の設定依頼など、コミュニケーションおよびセキュリティ施策に関する要求が多く寄せられました。 ... ## キーワード 1. アドレス管理 ─ アドレス登録、変更、設定など、ネットワーク設定に関する問い合わせが頻出。 2. セキュリティ管理システム ─ セキュリティポリシー、アクセス許可設定、リスク管理など、通信制御や安全性確保に関する依頼。 3. 業務管理システム ─ アカウント新規発行、権限変更、連携トラブルなど、業務システムのユーザー管理関連の問い合わせが中心です。 ... ## その他 ・全体として、各種システムの運用・管理に伴う定型的な依頼(アカウント発行や権限変更)に加え、新規機能の導入やシステム連携に伴う急なトラブル対応も多く見受けられ、社内の業務プロセスや連携体制の改善が求められている状況です。 ・特に、アドレス管理に関する依頼が散見されることから、新サービスの立ち上げや既存サービスの移行、セキュリティ強化の動きが活発であると判断できます。 ・また、業務管理システムに関する依頼が多いことは、社内のユーザー管理プロセスが頻繁に行われていることを示唆しており、今後の運用体制の強化が課題となると考えられます。 → チャット履歴はこちら ← Automated with this workflow
具体的な実装は別記事にまとめたいと思いますので、詳細が気になる方はそちらをご覧ください。
n8nを使用してみた印象ですが、とても便利でまだまだ活用の余地があるなと感じました。
一番の特徴はコーディングをしなくてよいところでしょうか。 導入はコマンド一つででき、API連携が簡単、プログラムの実行もスケジューリングができるなど、手軽に業務の一連の流れを自動化できるところがとても便利だなと感じています。 また、バージョンアップのスピードも早く、MCPノードなどの新しい技術にも随時キャッチアップしており、流行の技術に手軽に触れられるのも良いところだと感じています。
反面、ドキュメントが英語のみ、かつ、充実していないので、まだまだ社内で活用するには課題が多いです。 そのため、保守性の観点から、現状はまだGoogle App Script等を使って業務自動化を行うことが多いです。
以下、n8nの特徴をまとめてみました。
コーディングをあまりしなくてもよい。(アイディアの検証におすすめ)
SaaS連携が手軽にできる。(2025年現在では1047個のSaaSを含むツールに対応)
LLM、RAG、AI Agentなど、先進的な技術を使った自動化が行える。
JavascriptやPythonのコードも埋め込めるため、複雑な実装できる。(ただし、使えるライブラリには制限がある)
ドキュメントが英語、かつ、充実していないため、使える人が限られている。
使用できるLLMの機能は少しラグがある。(Open Researchやsimilarity_score_thresholdを使ったRAG等、未実装の機能がある。)
日本のSaaSとの連携は充実していない。(FreeeやKintoneなどとの連携はWebhookノードを使って手動で作りこむ必要がある。)
実は、こちらの記事を書き始めたのが2025年の4月頃だったのですが、その後色々と立て込んでしまい、6か月経ってしまいました。。。 最近ではOpenAI BuilderなどLLMのメーカーからこういったツールが出てきており、ますます便利になっていく一方、 こういったオープンソースならではの強みがあって、n8nはまだまだ需要があるツールなのではないかと感じています。 色々自作するのが好きな方は一度触ってみてはいかがでしょうか?
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