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CyberAgent Developers Blog·2026年4月13日 08:00·約6分で読める

2026年度 新卒研修「サイバーエージェントのデータベース活用事例とパフォーマンス調査入門」

#データベース#NewSQL#ベクトルデータベース#AIプラットフォーム#エンジニア教育#クラウドインフラ
TL;DR

サイバーエージェントは、2026年度新卒研修「データベース活用事例とパフォーマンス調査入門」において、昨年度の受講者フィードバックを反映し、基礎用語解説の追加、事例の拡充(Spanner、DocumentDB、TiDB Cloud等)、NewSQL/Spannerの運用事例、およびAIプラットフォームでのベクトルデータベース活用など、実践的な内容を強化して実施した。

AI深層分析2026年4月13日 08:40
3
注目/ 5段階
深度40%
4
関連度30%
3
実用性20%
5
革新性10%
2

キーポイント

1

研修内容のフィードバック反映と拡充

昨年度の受講者アンケート(基礎用語解説の要望、MySQL以外の事例やNewSQL、AI活用への関心など)を踏まえ、2026年度は研修内容を変更・拡充した。具体的には、基礎用語解説の追加、社内データベース採用事例の6件から9件への拡充、NewSQL(Spanner)の運用事例追加などが行われた。

2

多様なデータベース技術の実践的事例紹介

研修では、WINTICKETでのSpannerやハイブリッド検索、AWAでのDocumentDB、全社横断AIプラットフォーム「Dify」でのTiDB Cloud(ベクトルデータ保存)など、社内で実際に採用されている多様なデータベース技術の活用事例が紹介された。

3

NewSQL(Spanner)の運用課題と対策の詳細解説

Google Cloud Spannerに関する新たな事例として、サービス公開時のアクセス集中によるデータ分割・再配置の遅延問題と、その対策である「ウォームアップ」や「Pre-splitting」機能、データ配置最適化の「インターリーブ」について、実践的な観点から解説が加えられた。

4

AI・データ基盤との連携事例の提示

全社横断AIプラットフォーム「Dify」において、ベクトルデータの保存先としてTiDB Cloudを利用している事例が紹介され、データベース技術がAI活用の基盤としても重要であることが示された。

影響分析・編集コメントを表示

影響分析

この記事は、単なる技術紹介ではなく、大規模IT企業が実際のサービス運用で得た知見を次世代エンジニア教育に体系化し、継続的に改善している好事例を示している。特に、多様化するデータベース技術(リレーショナル、NoSQL、NewSQL、ベクトルDB)とAI基盤の連携を実践的に教える内容は、業界の技術トレンドを反映しており、他社の教育プログラムや技術者育成の参考モデルとなり得る。

編集コメント

技術トレンドを反映した実践的な企業内研修の内容を詳細に公開しており、教育プログラム設計やデータベース技術の現場適用を考える上で参考価値が高い。ただし、あくまで自社研修の紹介であり、画期的な技術発表ではない点に留意。

こんにちは、Service Reliability Group(SRG)の鬼海 雄太(@fat47)です。

SRGは、主に弊社メディアサービスのインフラを横断的にサポートし、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSSへの貢献などを行うグループです。

本記事では、2026年度のサイバーエージェント新卒研修として実施した「サイバーエージェントのデータベース活用事例とパフォーマンス調査入門」について、その背景と内容の一部を紹介します。

昨年度の新卒向けデータベース研修

昨年度、当社では初めて新卒エンジニア全員を対象としたデータベース研修を実施しました。

データベースの種類に関する基礎的な内容から始め、サイバーエージェント社内で実際に採用されているデータベースの事例や、その選定の考え方へと内容を展開していきました。

後半はMySQLに焦点を当て、実際のインシデント事例を交えながら、Performance Insights、スロークエリログ、EXPLAINを用いた調査手法について扱いました。

詳細は、昨年度のブログ記事をご覧ください。

https://developers.cyberagent.co.jp/blog/archives/55842/

昨年度の受講者アンケートで寄せられた声を踏まえ、今年度は研修内容の一部を見直しました。具体的には、次のような意見が挙がっていました。

  • DBのことをよく知らないので基礎用語の解説を増やしてほしい
  • MySQL以外の事例や調査方法も知りたい
  • NewSQLのことをもっと知りたい
  • データベースでのAI活用の話も知りたい

2026年度のデータベース研修で追加した内容の紹介

今年度も、「現場で使われているデータベースについて概要を把握できている状態」を研修のゴールとしました。

全体の章立ては昨年度から大きくは変えていませんが、受講者のフィードバックを踏まえ、内容を変更・拡充しています。

  1. データベース管理システムの種類
  2. 社内でよく採用されているデータベースの事例
  3. データベース運用で起きやすい問題とその対応事例
  4. データベースのパフォーマンス悪化時の初動調査手法

#### 1章 データベース管理システムの種類

基礎知識の補強を目的として、今年度は冒頭に用語解説を追加しました。

具体的には、トランザクションやスケールアップ、スケールアウトといった、後続の章を理解する上で前提となる概念を扱っています。

なお、1章はこの用語解説の追加を除き、基本的には昨年度と同様の内容です。

#### 2章 社内でよく採用されているデータベースの事例

この章は昨年度のアンケートでも特に好評だったため、今年度は社内のデータベース採用事例を6件から9件に拡充しました。

たとえばWINTICKETでは、Spannerや社内ドキュメントのハイブリッド検索システムに関する事例を紹介しています。

また、AWAにおけるDocumentDB活用事例も取り上げました。詳細はAWS様のブログをご参照ください。

全社横断で利用しているAIプラットフォームのDifyでは、ベクトルデータの保存先としてTiDB Cloudを利用している事例も紹介しています。

#### 3章 データベース運用で起きやすい問題とその対応事例

この章では、昨年度から扱っていたMySQLのインシデント事例に加え、Google Cloud Spannerに関する事例を新たに追加しました。

具体的には、新作スマートフォンゲームなどのサービス公開時にアクセスが集中し、データの自動分割や再配置が追いつかなくなるケースを紹介しています。

その対応策の一つとして、公開前に本番相当のトラフィックを与え、あらかじめデータの分割や再配置を進めておく「ウォームアップ」を紹介しました。

加えて、2025年に一般提供(GA)となった Pre-splitting 機能についても解説しています。

事前に分割点を設定しておくことで、ウォームアップを行わなくても、スプリットが発生しやすい状態をあらかじめ整えることができます。

また、インターリーブについても取り上げました。

関連するデータを物理的に近い位置に配置する仕組みの例として、Userテーブル、Orderテーブル、Itemテーブルの配置を図解しています。

フルマネージドで自動的に水平分割を行うNewSQLであるSpannerであっても、事前準備が不十分な場合にはインシデントにつながり得ます。そうした点を含めて、運用時に意識すべきポイントを整理しました。

#### 4章 データベースのパフォーマンス悪化時の初動調査手法

昨年度は、MySQLに特化した初動調査手法として、Performance Insights、EXPLAIN、スロークエリログの活用方法を比較的詳細に扱いました。

今年度はそれらの解説をややコンパクトに整理し、その分、Google Cloud Spannerにおける初動調査手法を新たに追加しています。

System InsightsやQuery Insightsを用いて高負荷の要因となっているクエリを特定し、さらにLock InsightsやKey Visualizerを使って調査を深掘りしていく流れを解説しました。

また、データベース領域におけるAI活用の一例として、Aurora MySQL向けMCPサーバーの活用イメージも紹介しています。

一方で、こうした仕組みは便利である反面、利用時に注意すべき点もあります。研修では、データベース系MCPサーバーを扱う際の留意点についてもあわせて説明しました。

最後に、本研修全体のまとめとして、基礎知識、社内事例、運用で発生した事例、初動調査の考え方を振り返りました。

本年度の研修では、昨年度好評だった内容をベースにしながら、新卒エンジニアの皆さんがより幅広くデータベースの知識を身につけられるよう、内容をアップデートしました。

AIの進化が著しい現在、技術を学ぶ意義も改めて問い直されていると感じています。その中で重要なのは、AIからの提案をそのまま受け入れるのではなく、前提や妥当性を理解した上で、自ら判断し、責任を持って活用できることです。

本研修が、これから新たな技術に挑戦していく皆さんにとって、データベースを学ぶきっかけの一つとなり、今後のキャリア形成の土台となれば幸いです。

原文を表示

こんにちは、Service Reliability Group(SRG)の鬼海 雄太(@fat47)です。

SRGは主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。

本記事では、2026年度のサイバーエージェント新卒研修として実施した「サイバーエージェントのデータベース活用事例とパフォーマンス調査入門」について、その背景と内容の一部を紹介します。

昨年度の新卒向けデータベース研修

昨年度、当社では初めて新卒エンジニア全員を対象としたデータベース研修を実施しました。

データベースの種類に関する基礎的な内容からスタートし、サイバーエージェント社内で実際に採用されているデータベースの事例や、その選定の考え方へと内容を広げていきました。

後半はMySQLに焦点を当て、実際のインシデント事例を取り上げながら、Performance Insights、スロークエリログ、EXPLAINを用いた調査の進め方について扱いました。

詳細は、昨年度のブログ記事をご覧くださいhttps://developers.cyberagent.co.jp/blog/archives/55842/

昨年度の受講者アンケートで寄せられた声を踏まえ、今年度は研修内容の一部を見直しました。具体的には、次のような意見が挙がっていました。

DBのことをよく知らないので基礎用語の解説を増やしてほしい

MySQL以外の事例や調査方法も知りたい

NewSQLのことをもっと知りたい

データベースでのAI活用の話も知りたい

2026年度のデータベース研修で追加した内容の紹介

今年度も、「現場で使われているデータベースについて概要を把握できている状態」を研修のゴールとしました。

全体の章立ては昨年度から大きくは変えていませんが、受講者のフィードバックを踏まえ、内容を変更・拡充しています。

1章 データベース管理システムの種類

2章 社内でよく採用されているデータベースの事例

3章 データベース運用で起きやすい問題とその対応事例

4章 データベースのパフォーマンス悪化時の初動調査手法

1章 データベース管理システムの種類

基礎知識の補強を目的として、今年度は冒頭に用語解説を追加しました。

具体的には、トランザクションやスケールアップ、スケールアウトといった、後続の章を理解するうえで前提となる概念を扱っています。

なお、1章はこの用語解説の追加を除き、基本的には昨年度と同様の内容です。

2章 社内でよく採用されているデータベースの事例

この章は昨年度のアンケートでも特に好評だったため、今年度は社内のデータベース採用事例を6件から9件に拡充しました。

たとえばWINTICKETでは、Spannerや社内ドキュメントのハイブリッド検索システムに関する事例を紹介しています。

また、AWAにおけるDocumentDB活用事例も取り上げました。詳細はAWS様のブログをご参照ください。

全社横断で利用しているAIプラットフォームのDifyでは、ベクトルデータの保存先としてTiDB Cloudを利用している事例も紹介しています。

3章 データベース運用で起きやすい問題とその対応事例

この章では、昨年度から扱っていたMySQLのインシデント事例に加え、Google Cloud Spannerに関する事例を新たに追加しました。

具体的には、新作スマートフォンゲームなどのサービス公開時にアクセスが集中し、データの自動分割や再配置が追いつかなくなるケースを紹介しています。

その対応策の一つとして、公開前に本番相当のトラフィックを与え、あらかじめデータの分割や再配置を進めておく「ウォームアップ」を紹介しました。

加えて、2025年にGAとなった Pre-splitting 機能についても解説しています。

事前に分割点を設定しておくことで、ウォームアップを行わなくても、split が分割されやすい状態をあらかじめ整えることができます。

また、インターリーブについても取り上げました。

関連するデータを物理的に近い位置に配置する仕組みの例として、Userテーブル、Orderテーブル、Itemテーブルの配置を図解しています。

フルマネージドで自動的に水平分割を行う NewSQL である Spanner であっても、事前準備が不十分な場合にはインシデントにつながり得ます。そうした点を含めて、運用時に意識すべきポイントを整理しました。

4章 データベースのパフォーマンス悪化時の初動調査手法

昨年度は、MySQLに特化した初動調査手法として、Performance Insights、EXPLAIN、スロークエリログの活用方法を比較的詳細に扱いました。

今年度はそれらの解説をややコンパクトに整理し、その分、Google Cloud Spanner における初動調査手法を新たに追加しています。

System Insights や Query Insights を用いて高負荷の要因となっているクエリを特定し、さらに Lock Insights や Key Visualizer を使って調査を深掘りしていく流れを解説しました。

また、データベース領域におけるAI活用の一例として、Aurora MySQL向けMCPサーバーの活用イメージも紹介しています。

一方で、こうした仕組みは便利である反面、利用時に注意すべき点もあります。研修では、データベース系MCPサーバーを扱う際の留意点についてもあわせて説明しました。

最後に、本研修全体のまとめとして、基礎知識、社内事例、運用で発生した事例、初動調査の考え方を振り返りました。

本年度の研修では、昨年度好評だった内容をベースにしながら、新卒エンジニアの皆さんがより幅広くデータベースの知識を身につけられるよう、内容をアップデートしました。

AIの進化が著しい現在、技術を学ぶ意義も改めて問い直されていると感じています。その中で重要なのは、AIからの提案をそのまま受け入れるのではなく、前提や妥当性を理解したうえで、自ら判断し、責任を持って活用できることです。

本研修が、これから新たな技術に挑戦していく皆さんにとって、データベースを学ぶきっかけの一つとなり、今後のキャリア形成の土台となれば幸いです。

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