動画記事 · LangChain
NemoClaw と dcode:AI コーディングエージェントの統制された設計図
動画の文字起こしと公開情報をもとにAIで要約・構成しています。 正確な発言は元動画と時間位置で確認してください。
まず要点
NemoClaw の統制された OpenShell サンドボックス内で dcode を実行し、開発者に熟悉的なワークフローを保ちつつ組織に監査性とセキュリティを提供する実装デモ。
AI コーディングエージェントを企業環境へ:セキュリティとガバナンスを両立する「NemoClaw」の実践ガイド
LangChain の深層コーディングエージェント「dcode」と、NVIDIA の管理プラットフォーム「NemoClaw」を組み合わせた新しい開発ワークフローが注目されています。この組み合わせは、AI エージェントの生産性を損なうことなく、企業環境で必須となるセキュリティと監査機能を担保する画期的なアプローチです。
本記事では、Baseten 経由で Nemotron 3 Ultra モデルを駆使し、統制された OpenShell サンドボックス内で dcode が実際にコードを生成・修正・テストするまでの実演を通じて、その仕組みと利点を解説します。
統制された環境の構築:NemoClaw と OpenShell の連携
まず重要なのは、AI エージェントが「どこで」動作するかです。従来の開発ではエージェントがローカルマシン上で直接動作するため、セキュリティリスクやリソースの無制限使用が懸念されます。この動画で紹介されるアプローチでは、NemoClawという管理ツールを用いて、OpenShell サンドボックスをプロビジョニング(準備)します。
開発者は期待通りのコーディングエージェントワークフローを利用でき、一方組織側は環境に関する監査可能性と制御性を高めます。
具体的な手順は以下の通りです。
- NemoClaw のインストール: NVIDIA ドキュメントの公開インストーラーを使用し、CLI(コマンドラインインターフェース)をセットアップします。この際、オンボーディングメニューから「オプション番号 3」の LangChain Deep Agents Code (dcode) を選択して統合します。
- 推論プロバイダーの設定: dcode がモデルを呼び出す先として、Basetenを選択します。Baseten は OpenAI 互換のエンドポイントを提供しており、ここでは「Nemotron 3 Ultra」モデルを使用します。
- Baseten のドキュメントからベース URL をコピー
- API キーを貼り付け
- モデルスラグ(
nemotron-3-ultraなど)を設定
これにより、dcode は安全なサンドボックス内で動作しつつ、高性能な推論モデルに接続されます。
- リソースとポリシーの適用: サンドボックス名(例:
dcode demo)を指定し、リソースプロファイルにはデフォルト設定(オプション 6)を採用。さらに、組織の管理方針に合わせて「バランス型」のポリシーを選択します。これは、コーディング作業に必要な柔軟性を保ちつつ、サンドボックスを管理された状態に保つための実用的なデフォルトです。
設定が完了すると、NemoClaw が自動的に OpenShell サンドボックスを起動し、dcode ランタイムの準備を整えます。
実際のコーディングワークフロー:failing test の修正からテスト実行まで
環境構築が整った後、実際に dcode を使ってコードを書き、問題を解決するプロセスを確認します。ここでは、意図的に失敗しているテスト(failing test)を修正するタスクを与えています。
1. テストケースの準備
まずターミナルから新しいワークスペースを作成し、基本的な Python プロジェクトを構築します。
add関数を実装したコード- まだ実装されていない
subtract関数を期待するユニットテスト
この状態でテストを実行すると、当然ながらエラーが発生します。これが dcode に修正すべき具体的な課題となります。
2. エージェントへの指示と実行
ターミナル内で dcode コマンドを起動し、以下のように入力します。
「この小さな Python プロジェクトを検査し、failing test を最小限の合理的な変更で直し、テストを実行し、何が変わったか要約してください」
すると、Nemotron 3 Ultra モデルが dcode エージェントとして動作を開始します。エージェントは以下のステップを踏みます。
- 分析: プロジェクト構造と failing test の内容を理解する。
- 提案:
subtract関数の作成が必要だと判断し、開発者に承認を求める。 - 実行: 承認後、コードを実際に書き込み、テストスイートを実行します。
3. 結果の検証
エージェントが処理を完了すると、両方のテストがパス(成功)したことが確認できます。dcode を終了し、ターミナルに戻って再度テストコマンドを実行すれば、同じ結果が得られるため、コードの変更が正しく反映されていることを客観的に検証可能です。
エージェントはワークスペースを理解し、コード変更を行い、検証し、要約することができます。
この一連の流れは、開発者がターミナルベースのエージェントと対話する際の自然なインタラクションを再現しており、生産性を損なうことなく AI を活用できることを示しています。
組織が安心できるガバナンス:ポリシーと監査機能
AI エンジニアリングの最大の障壁は「セキュリティ」と「ガバナンス」です。このデモでは、エージェントを取り巻く環境がどのように管理されているかを可視化するコマンドも紹介されています。
ターミナルから dcode の実行画面を抜けた後、以下の NemoClaw コマンドを実行することで、組織レベルでの管理性を確認できます。
NemoClaw dcode demo policy explain: このサンドボックスで有効なポリシーコンテキストを検査します。アクティブなプリセット、承認・修復の動作範囲、サポートされる境界などが表示され、何ができるか・何が制限されているかが明確になります。policy list: オンボーディング時に設定されたポリシープリセットの一覧を表示し、現在のルール構成を確認できます。logs tail 80: 直近の 80 行分の実行ログを閲覧します。これにより、チームはエージェントが何をしたか、どのような判断を下したかを後から追跡・監査可能になります。
ログにより、チームはより監査可能な環境でコーディングエージェントを実行できます。
まとめ
NemoClaw と dcode の連携は、AI コーディングエージェントを「ブラックボックス」ではなく、「管理されたツール」として企業に導入するための現実的な解決策です。Baseten による高性能推論と OpenShell による厳格な環境制御を組み合わせることで、開発者は自由な創造性を発揮でき、組織側はセキュリティとコンプライアンスを担保できます。これは、エンタープライズ向け DevSecOps の標準ワークフローとして定着する可能性を秘めた重要なステップと言えます。
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