顧客の反応、意思決定にどう反映させる? Zoomの取り組みから「AI×CX」の進化を探る
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Zoom は東京で開催したイベントで、AI を活用して顧客の声を意思決定に反映し、自律的な実行を可能にする「AI×CX」プラットフォームへの進化と、主要業務システムとの統合戦略を発表した。
AI深層分析を開く2026年8月1日 03:29
AI深層分析
キーポイント
AI による CX の4段階進化モデル
Zoom は AI がオペレーター支援から始まり、スーパーバイザー支援、時間の再投資を経て最終的に顧客体験の向上へと至る4ステップで成果を生むと説明した。
効率化を超えた新たな成果創出
同社は AI の価値を単なる時間短縮や人員置き換えではなく、人が本来行うべき業務から時間を奪い返して顧客へ還元する点に求めると強調した。
会話から実行までの統合プラットフォーム
クリス・モリッシー氏は、顧客との「会話」からフィードバック収集、意思決定、そして業務完結までを担うソリューションとして、Salesforce や ServiceNow などの主要システムと連携する構図を示した。
自律的な実行(Agentic Execution)の実現
AI と主要業務ソフトウェアのインテグレーションが進むことで、人間が介在せずとも意思決定から実行までを行う「自律的な実行」が可能になるとした。
バックオフィス業務のAI自動化と自律的実行
顧客対応後の「アフターコールワーク」などの繰り返し業務をAIで自動化し、CRMやデータレイクなど主要業務ソフトウェアと連携した自律的な実行を実現する。
重要な引用
AI で CX は“新たな成果を生み出す”ソリューションへと進化しつつある
人の本来やるべき仕事の時間を取り戻し、その時間をお客さまに対して還元できることにある
会話から業務完結までを担うソリューション
われわれはコンタクトセンターを“リフレクションセンター”とも位置付けてきた。このリフレクションの取り組みを、AIを活用して全社に広げられるようにしたい。それも企業の競争力強化につながると確信している
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編集コメント
Zoom の戦略は、AI を単なる自動化ツールとしてではなく、顧客との対話から自律的な意思決定・実行までを担うエコシステムの一部として再定義している点に注目すべきである。既存の CRM や ITSM システムとの深い連携により、データとアクションがシームレスにつながる未来像を示しており、企業の DX 戦略におけるプラットフォーム選定の基準を変える可能性がある。
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AIがビジネスに活用される中で、いち早くその効果が表れ、進化が期待されている分野が「CX」(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)だ。CXはAIでどのように進化するのか。ビデオ会議ツールで存在感を高め、EX(エンプロイエクスペリエンス:従業員体験)とともにCXの分野にも注力する米Zoom Communications社が、その取り組みを日本で開催したイベントで説明した。その内容から、AIによるCXの進化を探る。
「AIでCXは“新たな成果を生み出す”ソリューションへと進化しつつある。Zoomもビデオ会議の枠を超えて“人と人のつながりを強化するAIファーストなコミュニケーションプラットフォーム”へと進化していく」
Zoom Communicationsの日本法人ZVC JAPANの下垣典弘氏(代表取締役会長兼社長)は、同社が2026年7月7日に都内で開催したプライベートイベント「Zoom CX Summit Tokyo」のオープニングキーノートでこう切り出した。
図1 AIで成果を生み出すCXの4つのステップ(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
第1ステップは「AIがコンタクトセンターのオペレーター(図1では「エージェント」と表記)を支援する」、第2ステップは「AIがスーパーバイザーを支援する」、第3ステップは「AIが創出した時間をCXに再投資する」、第4ステップは「ファンのエクスペリエンスが向上する」といった動きだ。
その上で同氏は、「AIの価値は、人を置き換えて時間を短縮することだけでない。人が本来やるべき仕事の時間を取り戻し、その時間をお客さまに対して還元できることにある。つまりAIを活用したCXにおけるわれわれのテーマは、効率化だけでなく、新たな成果を生み出すことにある」と強調した。
図2は、Zoom Communicationsが2011年に米国シリコンバレーで創業してから15年間でアップデートしてきた主要なテクノロジーを時系列で示したものだ。同氏は「Zoomの勢いは止まらない」と言い、「お客さまの声に基づいてアップグレードしてきたテクノロジーの進化が、その勢いとなって表れている」と説明した。
図2 Zoomの創業以来のテクノロジーアップデートの変遷(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
そして、同社のCX分野における現在のビジネス戦略を描いたのが、図3だ。
図3 ZoomのCX分野におけるビジネス戦略(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
下垣氏に続いて説明に立った米国本社のCX事業責任者であるクリス・モリッシー氏(General Manager and Global Head of CX & GTM)によると、図3は左から右へ流れる内容で、「さまざまな手法による“会話(Conversation)”から始まり、そこからお客さまのフィードバックを得る。それに基づいて“意思決定(Decision)”し、“実行(Execution)”するということだ。現在のZoomは“会話から業務完結までを担うソリューション”を前面に打ち出している」と言う。

Zoom Communicationsのクリス・モリッシー氏(General Manager and Global Head of CX & GTM)(筆者撮影)
図3で注目すべきなのが、中央の上段の「Decision & Intelligence」および下段の「主要な業務ソフトウェア」だ。図では上段と下段に分けて描かれているが、モリッシー氏によると「(両者は)インテグレーションが進んでいる」とのことだ。インテグレーションが進む中央部分ではAIも活用されており、それによって「自律的な実行」(Agentic Execution)がなされるというわけだ。主要な業務ソフトウェアには、ZoomとともにSalesforceのCRM(顧客情報管理)、ServiceNowのITSM(ITサービス管理)、WorkdayのSoR(System of Record:基幹業務)、SnowflakeのData lake(データレイク)などが並んでおり、これらと連携可能な「AI時代のCXプラットフォーム」を印象付ける構図となっている。
CX対応のバックオフィス業務をAIで自動化へ
では、CXはAIによってこれからどのように進化するのか。モリッシー氏は次のように述べた(図4)。
図4 AIによるCXの進化1(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
「コンタクトセンターをはじめとした顧客とのエンゲージメントでは、電話や電子メールなどを通じてさまざまな問い合わせや要望、苦情などが寄せられる。コンタクトセンターのオペレーターなど顧客対応を担う従業員はそれらに対して迅速かつ的確に応えなければならない。コンタクトセンターではそうした業務を“アフターコールワーク”という。このアフターコールワークでは同様の問い合わせに対して同じことを答えるような繰り返し作業も多い。従って、こうしたワークフローをAIによってできる限り自動化できるのではないかということで取り組んでいる。これによって先に述べた“会話から業務完結までを担うソリューション”を展開する」
すなわち、顧客とのエンゲージメントという「フロントオフィス」では今後も人が担うところがあるが、それを受けてさまざまな対応業務を行う「バックオフィス」はできる限り自動化を図るということだ。
モリッシー氏はさらに、AIによるCXの進化について図5を示しながら、次にようにも説明した。
図5 AIによるCXの進化2(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
「コンタクトセンターでいうと、顧客から電話や電子メールなどで得た情報はセンター内にとどまり、全社で共有されることはこれまであまりなかった。しかし、企業にとって顧客とのエンゲージメントはコンタクトセンターだけでなく、店舗でのやりとりやさまざまな形での営業活動など広範囲にわたり、それら全てがCXの対象となる。そうしたCXに関わる情報から得られるインサイトを全社のあらゆる業務部門で共有し、企業の競争力強化につなげたい。そうした情報を迅速かつ的確に生かす仕組み作りがAIで可能になってきた」
図5は同氏の話にあるように、これまでのコンタクトセンターの姿を示した左の絵から、CXのインサイトを全社で活用する姿を示した右の絵に移行する様子を描いたものだ。右の絵の真ん中に「AI」が記されている構図が印象的だ。
同氏はまた、「われわれはコンタクトセンターを“リフレクションセンター”とも位置付けてきた。このリフレクションの取り組みを、AIを活用して全社に広げられるようにしたい。それも企業の競争力強化につながると確信している」とも述べた。
リフレクションは「振り返り」を意味する。ビジネス用語としては「自身の経験や行動力、思考プロセスを客観的に見つめ直し、そこから得た気づきを次の行動や成長に生かすためのプロセス」を指す。
AIによるCXの進化は、「顧客とのエンゲージメントから得られるインサイトやリフレクションを全社で共有してCXを高度化し、企業の競争力強化につなげる」ことにあるようだ。そうした企業活動をつかさどるのが、AIというわけだ。
ならば、人は何をやるのか。CXでは顧客とのエンゲージメントに関わるところでまだまだ果たせる役割はあるようだが、業務全般を考えれば、AIエージェントが自律的にどんどんこなすようになるだろう。そうした中で人がやるべきことは、AIを活用したこの仕組みを使ってもっと何ができるかを考えることではないか。これまでできなかった業務の変革や既存事業の刷新、そして新規事業の開拓など、ビジネスチャンスは広がっている。CXの進化はその意味でもしっかりと捉え続けて生かしたいところである。
著者紹介:ジャーナリスト 松岡 功
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AIがビジネスに活用される中で、いち早くその効果が表れ、進化が期待されている分野が「CX」(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)だ。CXはAIでどのように進化するのか。ビデオ会議ツールで存在感を高め、EX(エンプロイエクスペリエンス:従業員体験)とともにCXの分野にも注力する米Zoom Communications社が、その取り組みを日本で開催したイベントで説明した。その内容から、AIによるCXの進化を探る。
「AIでCXは“新たな成果を生み出す”ソリューションへと進化しつつある。Zoomもビデオ会議の枠を超えて“人と人のつながりを強化するAIファーストなコミュニケーションプラットフォーム”へと進化していく」
Zoom Communicationsの日本法人ZVC JAPANの下垣典弘氏(代表取締役会長兼社長)は、同社が2026年7月7日に都内で開催したプライベートイベント「Zoom CX Summit Tokyo」のオープニングキーノートでこう切り出した。
図1 AIで成果を生み出すCXの4つのステップ(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
第1ステップは「AIがコンタクトセンターのオペレーター(図1では「エージェント」と表記)を支援する」、第2ステップは「AIがスーパーバイザーを支援する」、第3ステップは「AIが創出した時間をCXに再投資する」、第4ステップは「ファンのエクスペリエンスが向上する」といった動きだ。
その上で同氏は、「AIの価値は、人を置き換えて時間を短縮することだけでない。人が本来やるべき仕事の時間を取り戻し、その時間をお客さまに対して還元できることにある。つまりAIを活用したCXにおけるわれわれのテーマは、効率化だけでなく、新たな成果を生み出すことにある」と強調した。
図2は、Zoom Communicationsが2011年に米国シリコンバレーで創業してから15年間でアップデートしてきた主要なテクノロジーを時系列で示したものだ。同氏は「Zoomの勢いは止まらない」と言い、「お客さまの声に基づいてアップグレードしてきたテクノロジーの進化が、その勢いとなって表れている」と説明した。
図2 Zoomの創業以来のテクノロジーアップデートの変遷(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
そして、同社のCX分野における現在のビジネス戦略を描いたのが、図3だ。
図3 ZoomのCX分野におけるビジネス戦略(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
下垣氏に続いて説明に立った米国本社のCX事業責任者であるクリス・モリッシー氏(General Manager and Global Head of CX & GTM)によると、図3は左から右へ流れる内容で、「さまざまな手法による“会話(Conversation)”から始まり、そこからお客さまのフィードバックを得る。それに基づいて“意思決定(Decision)”し、“実行(Execution)”するということだ。現在のZoomは“会話から業務完結までを担うソリューション”を前面に打ち出している」と言う。

Zoom Communicationsのクリス・モリッシー氏(General Manager and Global Head of CX & GTM)(筆者撮影)
図3で注目すべきなのが、中央の上段の「Decision & Intelligence」および下段の「主要な業務ソフトウェア」だ。図では上段と下段に分けて描かれているが、モリッシー氏によると「(両者は)インテグレーションが進んでいる」とのことだ。インテグレーションが進む中央部分ではAIも活用されており、それによって「自律的な実行」(Agentic Execution)がなされるというわけだ。主要な業務ソフトウェアには、ZoomとともにSalesforceのCRM(顧客情報管理)、ServiceNowのITSM(ITサービス管理)、WorkdayのSoR(System of Record:基幹業務)、SnowflakeのData lake(データレイク)などが並んでおり、これらと連携可能な「AI時代のCXプラットフォーム」を印象付ける構図となっている。
CX対応のバックオフィス業務をAIで自動化へ
では、CXはAIによってこれからどのように進化するのか。モリッシー氏は次のように述べた(図4)。
図4 AIによるCXの進化1(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
「コンタクトセンターをはじめとした顧客とのエンゲージメントでは、電話や電子メールなどを通じてさまざまな問い合わせや要望、苦情などが寄せられる。コンタクトセンターのオペレーターなど顧客対応を担う従業員はそれらに対して迅速かつ的確に応えなければならない。コンタクトセンターではそうした業務を“アフターコールワーク”という。このアフターコールワークでは同様の問い合わせに対して同じことを答えるような繰り返し作業も多い。従って、こうしたワークフローをAIによってできる限り自動化できるのではないかということで取り組んでいる。これによって先に述べた“会話から業務完結までを担うソリューション”を展開する」
すなわち、顧客とのエンゲージメントという「フロントオフィス」では今後も人が担うところがあるが、それを受けてさまざまな対応業務を行う「バックオフィス」はできる限り自動化を図るということだ。
モリッシー氏はさらに、AIによるCXの進化について図5を示しながら、次にようにも説明した。
図5 AIによるCXの進化2(出典:「Zoom CX Summit Tokyo」オープニングキーノート)
「コンタクトセンターでいうと、顧客から電話や電子メールなどで得た情報はセンター内にとどまり、全社で共有されることはこれまであまりなかった。しかし、企業にとって顧客とのエンゲージメントはコンタクトセンターだけでなく、店舗でのやりとりやさまざまな形での営業活動など広範囲にわたり、それら全てがCXの対象となる。そうしたCXに関わる情報から得られるインサイトを全社のあらゆる業務部門で共有し、企業の競争力強化につなげたい。そうした情報を迅速かつ的確に生かす仕組み作りがAIで可能になってきた」
図5は同氏の話にあるように、これまでのコンタクトセンターの姿を示した左の絵から、CXのインサイトを全社で活用する姿を示した右の絵に移行する様子を描いたものだ。右の絵の真ん中に「AI」が記されている構図が印象的だ。
同氏はまた、「われわれはコンタクトセンターを“リフレクションセンター”とも位置付けてきた。このリフレクションの取り組みを、AIを活用して全社に広げられるようにしたい。それも企業の競争力強化につながると確信している」とも述べた。
リフレクションは「振り返り」を意味する。ビジネス用語としては「自身の経験や行動力、思考プロセスを客観的に見つめ直し、そこから得た気づきを次の行動や成長に生かすためのプロセス」を指す。
AIによるCXの進化は、「顧客とのエンゲージメントから得られるインサイトやリフレクションを全社で共有してCXを高度化し、企業の競争力強化につなげる」ことにあるようだ。そうした企業活動をつかさどるのが、AIというわけだ。
ならば、人は何をやるのか。CXでは顧客とのエンゲージメントに関わるところでまだまだ果たせる役割はあるようだが、業務全般を考えれば、AIエージェントが自律的にどんどんこなすようになるだろう。そうした中で人がやるべきことは、AIを活用したこの仕組みを使ってもっと何ができるかを考えることではないか。これまでできなかった業務の変革や既存事業の刷新、そして新規事業の開拓など、ビジネスチャンスは広がっている。CXの進化はその意味でもしっかりと捉え続けて生かしたいところである。
著者紹介:ジャーナリスト 松岡 功
AI算出
導入事例ainew評価標準
記事は Zoom が主催したイベントで語られた具体的な戦略(AI エージェント支援や自律的実行など)を報じており、AI と CX の関連性は高いが、これは既存のベンダー発表の二次報道であり、世界初の新事実や独自データに基づく新規性はない。また、Zoom 日本法人によるイベント開催であるため日本関連性は存在するが、日本固有の規制や価格変更などの具体的な新情報は含まれていない。
6つの評価軸を見る
- AI関連度
- 75
- 情報源の信頼性
- 75
- 新規性
- 25
- 調べる価値
- 50
- 重複の少なさ
- 100
- 日本での有用性
- 25
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