【退職エントリー】ニュースとテクノロジー
スマートニュースのプロダクトマネージャーが、AWS SageMaker の活用や CNN を用いた画像・テキストのマルチモーダル分類への移行など、同社の AI/Deep Learning 戦略の具体例と退職後の新挑戦を明かした。
キーポイント
AWS SageMaker による ML プラットフォームの強化
自前開発から AWS SageMaker へ移行し、TensorFlow のスムーズな実行やエンドポイント管理の簡素化により、Python 中心のエンジニアも本番環境に参画できる体制を構築した。
CNN を活用したマルチモーダル記事分類
従来のテキストベースから CNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いた画像認識を組み合わせ、サムネイル画像の情報も取り込むことで分類精度とコード効率を向上させた。
「良質な情報」の再定義と社会課題への取り組み
フィルターバブルやフェイクニュースといった問題に対し、クリックベイト(釣りタイトル)を排除し、ユーモアと配慮のバランスを取ることで「良質」な情報の提供を目指す姿勢を示した。
米国展開への転身と新ミッション
著者がサンフランシスコへ移り SmartNews International で働くことを発表し、日本国内だけでなく世界規模での「良質な情報」の定義を深める意欲を語った。
ユーモアと配慮のバランス
笑いを追求する過程で意図せず他者を傷つける事例があり、社会全体で「誰も傷つけない笑い」を模索する動きが加速している。
ポリティカル・コレクトネスと分断のリスク
多様な背景を持つアメリカの事例を参考にしつつ、過度な規制により笑いが影に隠れ社会が分断されることへの懸念を示している。
採用活動への誘導
記事の主旨である「良質な情報」や社会的課題解決に関わる人材を募集しており、スマートニュースでの参画を呼びかけている。
影響分析・編集コメントを表示
影響分析
この記事は、大手ニュースアプリが AI 技術を実際のビジネス課題(情報品質、分類精度)解決にどう実装しているかの具体的なケーススタディを提供しており、業界における Deep Learning の実用化トレンドを示唆しています。また、AWS SageMaker などのマネージドサービスの活用事例は、他社における ML インフラ構築の参考となる実践的な知見を含んでいます。
編集コメント
単なる技術導入の報告ではなく、AI が社会課題(フェイクニュースや分断化)の解決にどう寄与できるかという視点と、具体的な技術実装(CNN と画像認識の融合)がバランスよく語られており、実務家にとって示唆に富む内容です。
【退職エントリー】ニュースとテクノロジー
SmartNewsでプロダクトマネージャーを務めている西岡です。ついに、退職エントリーを書く日が来てしまいました。(※退職の詳細については後述)
最近、3年前にSmartNewsで開催したイベントのレポートを見返すことがありました。現ハフィントンポスト編集長の竹下さんが当時書いてくれたポストで、これです。その中に、
テクノロジーを使ってこそできる報道、ニュースとデジタルの融合というのは、まだまだ始まったばかりなのではないか
という文章があります。業界でもそうですし、SmartNewsもニュースとテクノロジーを真剣に考えています。そこから、問題はより深刻化して「フィルターバブル」「エコーチェンバー」「フェイクニュース」「クリックベイト」「低品質コンテンツ」「分断化」などなど、オンラインニュース業界にまつわる様々な問題が山積みです。私たちは、テクノロジーでこれらの問題を解決していきたい。それを今までも挑戦してきたし、これからも引き続き挑戦していきたいです。
テクノロジーの中で最も熱いのは、私の中では、やはりAIです。「AIはマーケティング用語、バズワード」「AIは再び冬の時代に入りつつある」「AIに過剰な期待」などネガティブな面がある一方、「シンギュラリティが近い」と言われるように人類の生活が大きく変わるような世界が来るとも言われています。未来のことは分かりませんが、個人的には後者の意見に賛成で、そういう世界を後押しするプロダクトを作りたいし、そういう世界がより良いものになるように、今のうちから行動したいと思っています。間違いなく言えることは、この数年間のディープラーニングの進化が衝撃的だったことです。そのあたりはSmartNewsの顧問をしてくれているPFNの岡野原さんのブログなどから伝わってきます。そういうなか、最近は特に、SmartNewsのテクノロジーも、よりディープラーニング化していきたいと考えています。
AI/機械学習を支えるプラットフォームの話
ディープラーニング化して本番環境で使っていく上で、機械学習をより簡単に動かせる環境が必要であるという問題意識があります。自前で作るか、何か探すかと考えていたころ、昨年12月にリリースされたAWS SageMakerを試してみました。「TensorFlowもすんなり動くし」「モデルの管理も楽だし」「トレーニング用のインスタンスも管理しなくていいし」「エンドポイントまで作ってくれる」理想に近いものでした。SmartNewsには非常に優秀な機械学習エンジニアがたくさんいて、機械学習もJavaも余裕でこなして活躍しているという現状があります。一方、世の中には、Javaなどは不得意だけど、Pythonで機械学習は非常にできる人もたくさんいます。SageMakerなどがあれば、そういう方々でも、本番環境にコミットして活躍できるのではないかと期待しています。
SageMakerを使ったオフラインバッチ処理などは、すでに当社の本番環境で稼働していますが、先日、東京リージョンにも対応したので、オンラインの方でもSageMakerを使っていきたいと思います。AWSのリリースには、弊社の社長からもコメントさせていただきました。
機械学習自体も大事ですが、それを動かす環境というのも本当に重要なので、こういうところは今後も進化させていきたいと思います。
ディープラーニングの話
そして、モデルの話です。ニューラルネットの分野でいえば、弊社はword2vecなどの本番導入に早くから取り組み、サムネイル画像の分析などもディープラーニングベースで行っていました。最近では、(私はかかわっていませんが)広告システムの方でも使われ始めているようです。
現在、記事分類をディープラーニングベースに置き換え始めようとしています。色々と整備をし、CNNを使って試したところ、コード量も減り、精度も上げることに成功しました。そして現在は、記事分類に今まではテキストしか使っていなかったのですが、サムネイル画像も取り込もうと思っています。きっかけは、野球記事は文章を読めば分かるかもしれませんが、サムネイルの野球画像を見れば一発で分かるからです。画像データを簡単に取り込めるのはディープラーニングのメリットの1つです。まだ調整は必要ですが、実験では良い感じで動いています。
このような形で、ディープラーニングを私たちのシステムの様々な部分で支える技術として、隅々まで広げていきたいです。
SmartNewsのミッションについて
「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」
SmartNewsのミッションより
私事ですが、SmartNews株式会社を今月で退職することになりました。片道切符を持って家族でアメリカのサンフランシスコに渡り、来月からSmartNews Internationalという会社で働くことになりました。SmartNewsは、ミッションの冒頭に「世界中」とあるように、日本だけでなく世界でプロダクトを展開しています。その中でも、アメリカは最も力を入れている市場です。
東京で働くこと、アメリカで働くこと、これらにはそれぞれメリット・デメリットがあります。自分がアメリカでやりたいことやできることは何なのか、サンフランシスコ・ベイエリアのテック事情など、語りたいことはたくさんあります。ここでは1つだけ紹介させてください。ミッションの二つ目の単語「良質」ということを、アメリカに行ってより深く理解したいと思っています。
社内でも「良質とは何か?」という話はしていて、たとえば、このエントリーはタイトルからして良質じゃないです。「退職じゃないやん、社内異動やん。」というお怒りとツッコミが大半だと思います。こういう釣り記事タイトル、クリックベイト記事をこの世からなくしていくことも私たちがやりたいことの1つです。ただし、「おっ、ひっかけたな、面白いやん」と温かい目で見てくれる人が1%ぐらいいるかもしれません。ここに、「良質な情報とは何か?」という問いの奥深さがあるのです。
最近、社内で、ユーモアセンスのある同僚と熱い議論を交わしました。笑いをとりたいとき、差別やハラスメントをする意図はなくても、誰かを傷つけることがあります。自分も笑いを重視し過ぎて失敗し、常に反省しています。申し訳ございません。最近、本当は誰かを傷つけているのに、これまでは見過ごされていた笑いに対して「それは間違っている」と徐々に声を上げられる状況になりつつあると感じています。これは歓迎すべきことで、こういう流れはもっともっと加速し、そういう笑いは撲滅していって欲しいです。ただ、これが間違った方向に進み、理解し合えない笑いが影で行われるようになり、社会が分断されていくことを、私とそのユーモアセンスのある同僚は危惧しています。やはり、きちんと適切に、みんなで笑える笑いをとりたいのです。
アメリカは、背景の違う人々がたくさんいる中で、ポリティカリーコレクトという言葉があるように、こういうことを考える機会も圧倒的に多く、学べるのではないかと思っています。
「誰も傷つけない笑い」というのは、究極的な良質な情報の1つかもしれません。
長々と書いてしまい、中身のないだらだらとした文章は、これまた良質から外れてしまっていると思います。
ただ、釣りタイトルまで使ってでも伝えたいことがあるのです。
このポストを読んで、「テクノロジー」「ニュース」「AI」「Python」「ディープラーニング」「Java」「AWS」「良質」「世界」「アメリカ」「お笑い」「野球」なんでもいいので、少しでもSmartNewsに興味を持ってくれたら、私たちと一緒にこの世界的な問題を解決していきませんか?おかげさまで、私たちは組織を拡大することができ、絶賛、絶賛、募集中です!自分の所属する会社を褒めすぎるのも格好悪いですが、めっちゃいい会社ですよ。優秀で熱くて面白いやつが多く、楽しいです。とりあえず、下のリンクをぜひ見てください。
https://smartnews.workable.com
もし、どのポジションがいいかわからないという方がいれば、yuhei.nishioka@smartnews.comまで気軽にメールをくれても大丈夫です。会社やポジションや、もっともっと色々なことを解説しますよー。
原文を表示
スマートニュースでプロダクトマネージャーをやっている西岡です。ついに、退職エントリーを書く日が来てしまいました。(※退職の詳細については後述)
最近、3年前にスマートニュースで開催したイベントのレポートを見返すことがありました。現ハフィントンポスト編集長の竹下さんが当時書いてくれたポストで、これです。その中に、
テクノロジーを使ってこそ出来る報道、ニュースとデジタルの融合というのは、まだまだ始まったばかりなのではないか
という文章があります。業界でもそうですし、スマートニュースもニュースとテクノロジーを真剣に考えています。そこから、問題はより深刻化して「フィルターバブル」「エコーチェンバー」「フェイクニュース」「クリックベイト」「低品質コンテンツ」「分断化」などなど、オンラインニュース業界にまつわる様々な問題が山積みとしてあります。僕らは、テクノロジーでこれらの問題を解決していきたいし、それを今までもチャレンジをしてきたし、これからも引き続きチャレンジしていきたいです。
テクノロジーの中で最も熱いのは 、自分のなかでは、やはりAI です。「AI はマーケティング用語、バズワード」「AI は再び冬の時代に入りつつある」「AI に過剰な期待」などネガティブな面がある一方、 「シンギュラリティが近い」と言われるように人類の生活がめちゃくちゃ変わるような世界が来るとも言われています。未来のことは分からないですが、個人的には後者側の意見に賛成で、そういう世界を後押しするようなプロダクト作りをしていきたいし、そういう世界がより良いものになるように、今のうちから行動したいと思っています。間違いなく言えることはこの数年間の deep learning の進化が衝撃だったことです。そのあたりはスマートニュースの顧問をしてくれている PFN 岡野原さんのブログなどで伝わってきます。そういうなか、最近はとくに、スマートニュースのテクノロジーも、より deep learning 化していきたいと考えています。
AI / Machine Learning を支えるプラットフォームの話
deep learning 化して本番環境で使っていく上で、machine learning をより簡単に動かせる環境が必要であるという問題意識があります。自前で作るか、何か探すか、考えているころに昨年12月にリリースされた AWS SageMaker を試してみました。「TensorFlow もすんなり動くし」「モデルの管理も楽だし」「トレーニング用のインスタンスも管理しなくていいし」「エンドポイントまで作ってくれる」理想に近いものでした。スマートニュースには超絶優秀な machine learning エンジニアがたくさんいて、machine learning も Java も余裕でこなして活躍しているという現状はあります。一方、世の中には、Java とかは不得意だけど、Python で machine learning はめちゃくちゃ出来る人もたくさんいます。SageMaker などがあれば、そういう方々でも、production にコミットして活躍できるのではないかとも期待しています。
SageMaker を使ったオフラインバッチなどは、すでにうちの本番稼働していますが、先日、東京リージョンにも来ましたので、オンラインの方でも SageMaker を使っていきたいと思います。AWS さんのリリースには、弊社の社長からもコメントさせていただきました。
machine learning 自体も大事ですが、それを動かす環境というのも本当に重要なので、こういうところは今後も進化させていきたいと思います。
deep learning の話
そして、モデルの話。neural net 的なところでいえば、弊社は word2vec など本番化に早くから取り組み、サムネイル画像の分析なども deep learning ベースでやっていました。最近では、(自分はかかわっていないですが) 広告システムの方でも使われ始めているようです。
現在、記事分類を deep learning ベースに置き換え始めようとしています。色々と整備をして、CNN を使って試したところ、コード量も減り、精度も上げることに成功しました。そして現在は、記事分類に今まではテキストしか使っていなかったですが、サムネイル画像も取り込もうと思っています。それは、野球記事は、文章を読めば分かるかもしれませんが、サムネイルの野球画像を見れば一発で分かるからという理由ではじめました。画像データを簡単にとりこめるところは deep learning のメリットの1つです。まだまだ、調整は必要ですが、実験では良い感じで動いています。
このような形で、deep learning を我々のシステムを様々なところで支えて行くのを隅々まで広げていきたいです。
スマートニュースのミッションについて
「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」
スマートニュースのミッションより
私事ながら、スマートニュース株式会社を今月で退職することになりました。片道キップを持って家族でアメリカのサンフランシスコに渡り、来月から SmartNews International という会社で働くことになりました。スマートニュースは、ミッションの冒頭部分に「世界中」とはいっているように、日本だけでなく世界でプロダクトを展開しています。その中でも、アメリカはもっとも力を入れているところです。
東京で働くこと、アメリカで働くこと、この辺りはそれぞれのメリット・デメリットあるし、自分がアメリカに行ってやりたいことや出来ることはなんなのか、サンフランシスコ・ベイエリアのテックの話とか、等々、語りたいことはいっぱいあります。ここでは1つだけ紹介させてください。ミッションの2つ目の単語「良質」ということを、アメリカに行ってより理解しようと思っています。
社内でも「良質とはなんぞや?」という話はしていて、たとえば、このエントリーはタイトルからして良質じゃないです。「退職じゃないやん、社内異動やん。」というお怒りとツッコミが大半だと思います。こういう釣り記事タイトル、クリックベイト記事をこの世からなくしていくことも我々がやりたいことの1つなのです。ただし、「おっ、ひっかけたな、面白いやん」と暖かい目で見てくれる人が 1% ぐらいいるかもしれないです。ここに、「良質の情報とは?」の問いの奥深さがあるのです。
最近、社内で、なかなかユーモアセンスのある同僚と熱いディスカッションをかわしました。笑いをとりたいとき、差別やハラスメントをする意図はなくても、誰かを傷つけることがあります。自分も笑いを重視し過ぎて、失敗して、常に反省をしています。申し訳ございません。さいきん、本当は誰かを傷つけているのに過去は見過ごされていた笑いが「それは間違っている」と徐々に声をあげることが出来る状況になりつつあるのではないかと感じています。これは歓迎すべきことだし、こういう流れはもっともっと加速していき、そういう笑いは撲滅していって欲しいです。ただ、これが間違った方向に進んで、分かり合えない笑いは影で行われるようになり、社会が分断されていくことを自分とユーモアセンスのある同僚は危惧しています。やはり、ちゃんと適切に、みんなで笑える笑いをとりたいと。
アメリカは、背景が違う人々がたくさんいるなかで、ポリティカリーコレクトという単語があるように、こういうことを考える機会も圧倒的に多く、学べるのではないかと思っています。
「誰も傷つけない笑い」というのは、究極的な良質の情報の1つかもしれないです。
長々と書いてしまって、中身のないダラダラとした文章は、これまた良質から外れてしまっていると思います。
ただ、釣りタイトルまで使ってでも伝えたいことがあるのです。
このポストを読んで、「テクノロジー」「ニュース」「AI」「Python」「deep learning」「Java」「AWS」「良質」「世界」「アメリカ」「お笑い」「野球」なんでもいいので、少しでもスマートニュースに興味を持ってくれたら、我々と一緒にこの世界的な問題を解決していきませんか?おかげさまで、我々は組織を拡大することができて、絶賛、絶賛、募集中です!自分が所属している会社をほめすぎるのもカッコ悪いですが、めっちゃいい会社ですよ。優秀で熱くて面白いやつ多いし、楽しいですよ。とりあえず、下のリンクを、ぜひぜひ見て下さい。
https://smartnews.workable.com
もし、どのポジションがいいかわからない人、yuhei.nishioka@smartnews.com まで気軽にメールくれても大丈夫です。会社やポジションや、もっともっと色々なことを解説しますよー。
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